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部下に「フィードバック」をするのは、日本人には向いてなかった

自分の頭で考える会話法をご存知ですか
久野 和禎 プロフィール

「これからどうするの?」と聞くだけ

先述の上司と新人の会話を、今度は「フィードフォワード」で行ってみましょう。一体どうなるでしょうか?

上司「おつかれさま」
新人「ご同行ありがとうございました」
上司「うん。今日はどうだった?*1
新人「あ、はい。足りないところもあったと思うのですが、今できるベストを出すことができました」
上司「そうだよね。また同じような機会があるとしたらどうする?*2
新人「そうですね、新サービスの部分がスムーズに話せなかったので、もう一度知識を整理して練習してみます」
上司「いいと思うよ。他には?良かった点はどうしたらもっとよくなる?*3
新人「事前のヒアリングはしっかりできていたと思うので、さらに質を高めたいです」
上司「いいね。しっかりヒアリングをして、こちらからの提案もしっかりしていれば先方としても検討せざるを得ないね」
新人「そうですね!ありがとうございます。頑張ります」
上司「うん、あとは先方のタイミングだから、まずはこちらでできることをしっかりやろう*4
新人「はい!いつもありがとうございます!」

 

フィードフォワードの基本は、以下の2ステップです。

(1) 相手のことを受け止めて
(2) 未来に目を向けるように促す

上の会話例で言えば、*1の質問が、「相手を受け止める問い」で、*2 *3が「未来に目を向けるように促す質問」です。*4もレシーバーが「未来に目を向けられるように促す言葉がけ」です。

いかがでしょうか? フィードフォワードはとても簡単な方法です。ざっくり言えば「これからどうするの?」と聞くだけです。

人間の脳は、「これからどうするの?」と聞かれると、素直に「どうしようかな?」と考え始めます。その特徴を利用して、このシンプルな質問をするだけで、相手の目線を未来に向けることができます。

落ち込んでいる人には、「悲しいよね。よくわかる。(間)これからどうしようか?」と言います。「元気だして。いいことあるよ」と言われるよりも、ずっと前向きになれるものです。

このように、大げさなことでなくても未来に目を向けることができれば、今よりも気分が楽になり、具体的な対策が見えてくるものです。

フィードフォワードは、「忌憚なく」言う必要はないので、日本人でも上手に使いこなせます。また、未来に目を向けるためのものですから、過去に目を向けた「反省モード」に陥ることはありません。未来に目を向けていれば脳の創造的能力は高まり、新しいアイディアをどんどん思いつくようになります。そして、誰に対してでも行なうことができます。

フィードフォワードは、本当に簡単な技術です。ぜひ、周囲の方に「これからどうするの?」「次はどうするのですか?」というような質問を投げかけてみてください。

「でも、未来ばかり見ていると改善点を見落としてそのままになってしまうのではないか」と心配になる方もいるかもしれません。

ご安心ください、大丈夫です。単に未来ばかりを見て脳天気に生きるわけではありません。先述の事例のように、ちゃんとレシーバー(フィードフォワードを受ける人)が自ら、必要な改善点に対する対策を考え、話してくれます。

仮にレシーバーが改善点に気がついていない場合でも、フォワーダーがその点を指摘してあげて、「次はどうしようか?」とフィードフォワードしてあげればいいのです。
これでうまくいくことは、私が千人以上に対して行ってきたセッションの中で実証済みです。上司やリーダーの皆さん、ぜひこの技術を試してみてください。