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「ノープラ生活」1週間にチャレンジしてみた

けっこう大変な挑戦の末にわかったこと

日常生活を舞台に実験開始!

みなさん、こんにちは! 日本科学未来館科学コミュニケーターの高知尾です。

今、プラスチックの環境問題が世界的に注目されています。

軽量で丈夫なプラスチックは便利な一方、自然分解されずに環境中に長期間留まってしまいます。特に、イワシなどから見つかった小さなプラスチック片(マイクロプラスチック)が問題視されています。

プラスチックはその性質上、有害物質などを吸着しやすいことも影響が懸念される理由のひとつです。人体への影響はまだ明らかになっていませんが、取り込まないに越したことはないでしょう。

また、これまで日本からの廃プラスチックの一部を資源ごみとして輸入していた中国が、国内の環境汚染を懸念し2017年12月から輸入禁止に踏み切りました。新たな輸出先として注目されたタイやベトナムなどでも資源ごみの輸入規制が相次いでいます。

今後、日本で排出される廃プラスチックの行方はどうなるのでしょう?

現代の豊かな生活に欠かせないプラスチック。それらがまわりまわって人類の安全・安心を脅かしているとしたら、私たちの今の生活を見直してみる必要がありそうです。

私たちが使っているプラスチックは本当に「欠かせない」ものなのでしょうか?

それを知るため、まずは1週間だけ、使い捨てのプラスチックを使わずに生活できるかを試してみることにしました。

今回は、包装容器などのプラスチックを手に入れても、それが繰り返し利用できるものであればOKということにしました。

また、チャレンジ後もこの生活を続けられるかどうかが大事なので、極力生活水準を落とさずに、衛生面や栄養バランスなども考えた上で実行する必要があります。

それにはプラスチック容器を他のもので代用するなどの発想が大事になってきます。

1日目

決意の夜。仕事帰りに最寄り駅を降りると今日の夕食を考えはじめました。

駅を出るとパン屋さんが見えます。トレイの上に並べられた焼き立てのパンからの香ばしい匂いに足が向きます。
(ちょっとずるいけど、今日の夕食はこれでいいかな……)

しかし、その想いは一瞬で敗れ去りました。このお店では、パンを購入すると店員さんが一個一個透明のポリエチレンの袋に入れてくれて、さらにそれをお店のロゴが入った手持ち用の袋に入れてくれることを思い出したのです。

布製のエコバッグの準備はしていましたが、パンの粉や具材が接触してもいいからそのままエコバッグに入れてくれと言う心の準備はできていませんでした。
(……素直に夕食を作ることを考えよう)

次に向かったのは大型スーパーマーケット。
(品数や種類が豊富なので、包装容器がない商品もそれなりにあるだろう……)

実は、その日お米を切らしていました。まずはお米を手に入れなくてはいけません。ところが、そのスーパーではすべてのお米がポリエチレンやポリアミドなどの袋に入っており、紙袋に入ったお米は売られていませんでした。出鼻をくじかれました。

そのほか、うどんやそばなど、その日の主食になりそうなものは、ことごとくプラスチックの包装容器に入っていました。中には紙っぽい質感のものもありましたが、よく見ると「プラ」の表記が入っています。

スーパースーパーで買い物するとプラスチックだらけに…… Photo by Getty Images

各商品棚を3周くらいした挙げ句に選んだのは、紙容器に入った即席カップライス。お湯を注ぐと3分で食べることができる商品です。厳密にいうと透明の外装フィルムに覆われていましたが、プラスチックの量としてはこれが一番少ない。夜も遅かったので、その日は少量のフィルムには目をつぶることにしました。

おかずも手に入れたいところです。野菜コーナーでもほとんどの商品が包装された状態で並べられています。そこで、赤々としたトマトが裸で並べられているのが目に留まりました。

よし、サラダにしよう。レタスを見つけましたが、お行儀良くプラスチックのお皿に乗って並んでいます。お皿だけをその場に残していくことも気後れしたため、隣にあったブロッコリーに変更しました。なんとか夕食を揃えられそうです。

レジでは、買い物かごに「レジ袋NO」の札を入れたにも関わらず、わざわざトマトとブロッコリーを透明のポリ袋に入れてくれようとします。ここは丁重にお断りし、マイエコバッグに野菜をそのまま入れて家路を急ぎます。

これまでプラスチックの性質としては「丈夫さ」と「加工のしやすさ」であることは教科書で習ってなんとなく知っていました。

しかしこの日、それだけではなく商品を長持ちさせるための「密封性」もプラスチックの重要な役割なのだと痛感したのです。