高体連が隠蔽した「第2の日大タックル事件」衝撃映像を公開!

インターハイ出場を懸けた決勝戦で…
角岡 伸彦

一日で消去された「お詫び」

桃高側がSNSで阿倍選手が攻撃目標になっていたことを訴えると、高体連側は「投稿は証拠がない。仮にあったとしても、それと問題行為の因果関係は認められない」と回答した。

この時点で大阪高体連は、浪商の選手全員の調査をせずに早々と因果関係を否定し、多数決で原案通りの処分を決定してしまった。危害を加える予告があり、ラフプレーがあれば、両者が関連していると考えるのが妥当であろう。

翌14日、大阪高体連は、以下の「お詫び」をホームページにアップした(抜粋)。

〈試合中の事象及び対応、今回の起因した問題の一切につきましては、大阪高体連ハンドボール専門部の責任であることを関係するすべての皆様に深謝するとともに猛省し、今後役員、審判の連携を含む技術の向上に努めるとともに、再発防止に取り組んでいく所存です〉

 

肝心の「試合中の事象及び対応」の中身については、何の説明もない。意味不明との抗議の電話・メールがあったため、高体連は翌日に削除した(6月28日現在)。

後日、開かれた常任委員会で、大阪高体連側は削除した理由を、詳しく書くと加害選手が特定されるから、と説明した。そんなことを言い出せば、あらゆる謝罪は公表できなくなる。大阪高体連の隠蔽体質を物語るお詫びと削除である。

処分後、浪商側は内部調査を実施し、浪商・桃高両校のグループラインで、浪商の選手が「うちが勝つよ」「やったるぞ」などの不適切な投稿があったことを大阪高体連に報告した。だが、そもそも両チームの合同グループラインは存在しない。「うちが勝つよ」「やったるぞ」程度の内容では、不適切だとは言えないではないか。

浪商の監督は筆者の取材に「意図的なラフプレーは当然なかった」「試合との関係性、内容の具体性、計画性があるものとは決して考えられない」と文書で回答した(傍点は引用者)。

大阪高体連が強調する、ラフプレーを見逃さない態勢づくりが必要であることは言うまでもない。だがそれ以上に、コートに立つ者の心得を理解させる徹底した取り組みが重要であろう。

1点差で負けた桃高の選手たちは、試合直後に浪商の選手に「俺たちの分まで頑張って!」と声を掛けたという。桃高の選手たちの心意気に応えるためにも、浪商チームは7月末に開催されるインターハイで、正々堂々と闘ってほしい。

かどおか・のぶひこ/'63年兵庫県生まれ。神戸新聞記者などを経てフリーに。『カニは横に歩く 自立障害者たちの半世紀』(講談社)で第33回講談社ノンフィクション賞、『ゆめいらんかね やしきたかじん伝』(小学館)で第21回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞