専門家が明言する「私がビットコインを買わない理由」

連載ルポ:お金の正体②
海猫沢 めろん プロフィール

ビットコインはお金なのか

金融業界では、投資をするときにひとつの商品に集中させずに、現金、預金、株式、債券、不動産などなど、分散していろいろなところに投資をする。この組み合わせを「ポートフォリオ」と呼ぶが、この選択肢のなかに仮想通貨は入ってきていないのだろうか?

——いま、銀行なんかが投資する選択肢の一つとしてビットコインは入ってきているんでしょうか。

楠 たしかに議論としてはあります。仮想通貨をポートフォリオに組み込むのは、数%ならと言う人は出始めているけれど、じゃあMMFとかがポートフォリオに組み込めるかというとまだまだ……個人単位で好きな人がやっているぐらいのものです。

——仮想通貨って中国の金融当局が何か言ったとかですぐ、価値がすごいガタガタするじゃないですか。あれは、国の誰が決めているんですか?

楠 表に出てきているのは中国人民銀行ですね。中央銀行というと日本銀行のような役割を想像しがちですが、日本であれば金融庁のような法令の原案作成や監督の権限も持っています。中国に限らず世界中で仮想通貨とは何かの解釈について議論されていますが、決済手段というには値動きが激しくて、投機目的での退蔵も少なくないことから、資産と位置づけるべきとの意見が強くなりつつあります。

仮想通貨はお金なのか、株なのか、それとも宝くじなのか……どう解釈するのかは確かに難しい問題だ。

一応「仮想通貨」ということでお金ということになってはいるが、実際にぼくは仮想通貨で買い物をしたことがない……。株だと言われるとそんな気もするが、そうすると一体なにをもとに値段がついているのかわからなくなる。

 

楠 アメリカなんかでは、あれは配当を約束しているから有価証券であるという解釈が来て、一気にダメになったわけです。

ヨーロッパはわりと寛大で、中国韓国は禁止に近い方向。

日本は微妙で、アメリカのように証券とは言っていない。仮想通貨かどうかはケースバイケース。ものによってはクラウドファンディング、出資法の枠組みとか……5、6種類、いろいろありうるよね。どれで読むかはケースバイケースじゃないかと言っている。

一方で業界自主規制団体に対しては、取引所しか自由には扱えないようにしろ、みたいなそういうオーダーを出している。勝手に自由に売り出せるようにはすべきじゃないと。

ビットコインは儲かるか?

仮想通貨が何なのかはまだ議論の余地がある……たしかにそうだが、それはそうと、ここで読者の多くが気になっていることを聞いてみたいと思う。

それはズバリ、ややこしいことを抜きにして「ビットコインは持っていると儲かるのか?」だ。

——実はぼく先日ビットコインを買ってみたんですけど、ぶっちゃけビットコインって持っていたら儲かるんでしょうか? なんか最近カフェとか行くと、主婦からおじいちゃんまで、みんなビットコインの話しているのが聞こえてくるんですよね……。

楠 それって、大暴落の前に靴磨きの少年が株の話をしていて……という話ですね。普段無関係の何も知らない人まで情報が広がると、バブルの崩壊は近い。

僕は正直に言うとポートフォリオをほとんど持っていないです。ほんのちょっと数千円分残っているのは、4年くらい前に試しに使ってみるために買ったもののお釣りの欠片が残っているだけで、この3、4年ビットコインは買っていないですね。

——それは信用できないからですか?

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