つくばエクスプレスに子育てファミリーが「民族大移動中」の不思議

一体なぜ…?
現代ビジネス編集部 プロフィール

オオタカが棲む森林が、子育てファミリーの巣に

区間快速は「南流山」(つくばエクスプレス開業以前から武蔵野線の駅がある街なので)を飛ばし、東武野田線と交わる「流山おおたかの森」駅へ。取材班はここでもまた、子育てファミリーの密度の高さに驚かされることになる。

流山おおたかの森駅に直結する高島屋系の複合商業施設「流山おおたかの森S・C」

流山おおたかの森駅は、その名の通り絶滅危惧種のオオタカが棲む森林を切り開いて誕生した。つくばエクスプレスの開業から数年で昇降客(1日平均、東武線除く)が2倍に増え、現在はさらに1万人積み増して約3.5万人。秋葉原、北千住に続く主要駅へと成長している。

高島屋系が運営する駅直結の複合商業施設「流山おおたかの森S・C」の賑わいもさることながら、駅前の「南口公園」に集まる子育てファミリーの数がものすごい。前節の三郷中央並み、あるいはそれ以上の人口集中ぶりだ。

おおたかの森駅のすぐ南に、大規模マンション「ザ・フォレストレジデンス」計4棟が所狭しと立ち並ぶ

隣接する大規模マンション「ザ・フォレストレジデンス」(22階建、2008年築、4棟計524戸)の住民たちかと思いきや、以外にそうでもない。いくつかのお母さんグループに声をかけてみると、東武野田線で両隣りの「豊四季」「初石」駅から来ているという声が多数を占めた。

「駅周辺のマンションは価格が高くて全然手が出ません。おおたかの森には週2回くらい、高島屋に買い物に来るついでに、公園で子どもを遊ばせています。ここで仲良くなったママ友でも、そこ(フォレストレジデンス)の住人という人にはなぜか会ったことがありません。庶民にとっては、住む街というより買い物に来る街という感じですね」

つくばエクスプレスの中でもセレブ度の高い駅

流山おおたかの森駅周辺のマンションが高いという声は、取材したほとんどのお母さんが口にした。『家いくら?』では、中層11階の3LDK(85.22m2)が3,509万円と試算された。なるほど確かに、築10年にもかかわらず大きな値下がり感はない。

取材班のインタビューに応じてくれた子育てママさんたち。この南口公園の賑わいは半端ない

取材を進めるうち、非常に参考になる意見を聞くことができた。おおたかの森に一戸建てを購入し、板橋区から来週引っ越してくるというお母さんの話。

「中央線の立川とおおたかの森で悩んだ末に、こちらに決めました。都内に近い八潮も検討したんですが、埼玉の中でもちょっと格が落ちるというか……。引っ越してくるお前が言うなって感じですが、おおたかの森は東京都内のニュータウンに手が届かなかった『セレブ崩れ』のイメージなんです(笑)」

昨年、隣駅の豊四季に引っ越してきたお母さんもこう言う。

「流山おおたかの森駅周辺のマンションは、東武野田線の周辺駅に比べたら1,000万円は高いと、不動産屋さんが言ってました。でも、子育ての視点で考えると、豊四季や初石は保育園が少ないので、多少おカネがかかっても保育環境が充実しているおおたかの森を選びたいという人は多いんですよね」

八潮、三郷中央と同じように、おおたかの森の人気を説明するキーワードはやはり「子ども」なのだ。