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相続のルールが激変! 新設「配偶者居住権」で大損する人たち

知らないうちにルールがどんどん変わる

新設「配偶者居住権」には、こんな落とし穴があった

世田谷区に一戸建てを持つ大場浩之さん(76歳・仮名)は、妻(70歳)と2人暮らしだ。長男(50歳)一家は都心のマンションで別居している。

大場さんは、1年前に早期がんを宣告されてからというものの、万一自分が死んだとき、残されることになる妻のことだけが気がかりだという。

というのも、妻は長男の嫁との折り合いが悪く、かねてより行き来が少なくなっていたからだ。考えたくないが、遺産相続は、現実的な大問題だ。

資産は自宅(評価額約2000万円)、さらに預金をはじめとした金融資産が約1000万円の計約3000万円である。

 

大場さんが亡くなれば、法定相続分では妻と長男で、半分の1500万円ずつ相続することになる。現状のルールでは、2つの方法しか妻には残されていない。

①家に住み続けるかわりに、500万円を別途調達し、長男に支払う
②家を売却し、現金を長男とのあいだで分割する

妻自身の資産は少なく、①は不可能だ。とすれば、家を売却するしかない。

この場合、妻は現金を1500万円受け取ることができるが、住み慣れた家を離れたくはない。嫁との折り合いが悪い以上、息子の家での同居は難しいだろう。老後資金も不安だ……。