米中貿易戦争のウラで、いま中国で起きている「ヤバすぎる現実」

もう限界…報道されない現場の悲鳴
週刊現代 プロフィール

急増する「空巣青年」問題

それでは、近未来の世界は中国の天下になるのかと言えば、必ずしもそうではありません。EU28ヵ国、ASEAN10ヵ国のそれぞれ2倍以上の人口を擁する中国は、悩みもまた2倍以上(?)と言えるのです。

たとえば中国は、1978年に始まった改革開放政策に伴って、「一人っ子政策」を、2015年まで続けました。憲法25条に「国家は一人っ子政策を推進実行する」と明記し、違反者には厳しい罰則を定めました。

21世紀に入って、「一人っ子政策」の弊害が多方面に表れてきましたが、その最たるものが、いびつな男女差です。

特に農村部では、どうせ一人しか産めないなら男児を産もうということで、さまざまな方法を使って男児を産んだため、子供の男女比が120対100くらいまで開いてしまったのです。

国連では107までを「正常国家」と定めているので、中国は明らかに「異常国家」です。

その結果、2年後の2020年には、結婚適齢期の男性が、女性より3000万人も多い社会になります。中国では「3000万人独身男の憂鬱」と題した記事も出ています。

彼らは「剰男」(余った男)と呼ばれていますが、嫁を探しにアフリカまで出かける「剰男」も出ているほどです。

 

さらに、結婚を半ば諦めた「空巣青年」も急増中です。親元を離れて都会で一人暮らしをし、スマホばかり見て引きこもっている若者を「空巣青年」と呼ぶのです。

若者に関して言えば、2022年に大学の卒業生が900万人を超えます。中国の大学生は昨年9月現在、3699万人もいて、世界の大学生の2割を占めます。日本の約13倍の学生数で、経済規模は日本の2.5倍もないので、就職先がまったく足りません。

若年失業者が増すと、反政府運動などを起こすリスクも増すので、中国政府は必死に起業を勧めています。昨年は、年間600万社以上が創業し、1351万人の新規雇用を確保したと誇りました。

2人で起業した企業が600万社できれば、それだけで1200万人の雇用を確保したというわけです。

ところが、600万社がその後、どうなったかについては、発表がありません。おそらく、死屍累々の状況が生まれているはずです。それでも、「その日の就業」を最優先するという究極の自転車操業社会です。