どう調べたら、そうなるの?内閣支持率のフシギな仕組み

いつの間にか回復中
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「ポスト安倍」の不在

若者の自民党支持が多いという結果も、今回の日経新聞の調査から明らかになった。前出・小林氏はこう語る。

「日本経済の基軸は依然として日米関係にあります。10代から30代では、旧民主党の鳩山由紀夫政権における日米関係の悪化、マニフェストの反故が記憶に新しい。

また、人手不足による好調な新卒就職率の恩恵を受けている世代として、自民党への一定の支持がある。

同時に、いまはトランプ大統領を震源地として、世界秩序が不安定になってきています。こういう混乱期には、長く政権を担っている人のほうがリスクは少ないとみてしまう。

このタイミングでだれが現政権に代わってやるか、野党はおろか自民党からもビジョンが浮かばないため、リスクを取りたくないと考える人が多いのです」

10代から30代、新聞を読まない人たちはみんな自民党を支持している――。6月24日、麻生太郎財務相が講演で語った言葉が浮かぶ。

これを真に受けるならば、「新聞を読まない世代」の回答も紙面の数字に反映されるわけで、感覚と結果が異なっても多少合点がいく。

 

安倍内閣の支持率が回復したのは、ポスト安倍の有力候補がいないということに尽きる。今回の調査でも小泉進次郎氏がポスト安倍の最有力候補として挙がったが、国民のほとんどが次回の総裁選で彼が立候補するとは思っていない。

安倍政権が長期運営を続けるうえで、政権維持のデッドラインにも変化がみられるようになった。

「ある程度の不祥事が起こっても、政権に致命的なダメージがなければ、不祥事が風化したころに支持率が自然と回復する。これが長期政権の特徴です。

これまで政権維持の危険水域は3割といわれてきましたが、2割前半まで落ち込むことがなければ沈むことはないでしょう」(前出・井田氏)

なんとなく決定打のないままさまよう民意が、数字化されると政権運営にプラスに働く。安倍総理の「したり顔」が目に浮かぶようだ。

「週刊現代」2018年7月14日号より