小児性犯罪者たちの「おぞましき飼育欲」その実態

加害者は動機を「純愛」だと語った
斉藤 章佳 プロフィール

ある保育士の「トイレトレーニング」

貧困家庭で育ち生育環境がひどい人もいるし、親が医者で裕福な家庭であったり、両親も自分も学校の先生ということもある。ただし他の性犯罪者と同じなのは、現実に対する認知に大きな歪みが生じているパターンが多いということ。つまり自分の都合のいいように現実を捉えて問題行動を繰り返してしまうのだ。

例えば痴漢加害者は、痴漢をする際に、次のような認知の歪みが生じている。

「多くの女性は、痴漢されたがっているのだ」

「女性専用車両に乗っていない女性は痴漢されたがっているのだ」

これと同様に小児性犯罪者は、子どもたちにわいせつな行為をするとき、次のような考えが彼らの行動基盤を支えているのだという。

「この子もいずれセックスを経験する時が来る。その前に僕が教えてあげるのだ」

「あくまでこれは性教育なのだ。優しく教えてあげるのだから、罪ではないのだ」

しかも言うことを良く聞き、自分に慕っている子どもは、コントロールが容易となる。それが歪んだ現実認識と、屈折した愛情が重なり、やがてまるでペットのように「飼育する」という感覚に至る。この身勝手さは、ひとえに彼らの湧き上がる欲望を正当化しようとする意識によってもたらされているのだろう。

 

彼らの性嗜好は職業選択にも関わっている可能性がある。私がこう考えるのは、先のインストラクターもそうだが、小学校の先生や保育士に小児性愛障害傾向のある者が少なからずいるからだ。2016年度、性的行為などで懲戒処分された公立学校の教職員は全国で226人に達していて、これに危機意識の強い千葉県や神奈川県では、毎年児童に対して匿名の大規模な調査を実施している。

実際に私が治療にあたった100名を超える小児性犯罪者の中には、小学校の先生もいれば保育士やスポーツインストラクターもいる。

ある保育士はすでにベテランの領域に達する年齢だった。様々な保育所での勤務経験があり、その各所で小児性犯罪を繰り返してきたが、彼の特徴は女の子にも男の子にもそうした性暴力を繰り返していたことだった。

彼はトイレで問題行動に及ぶのだが、子どもたちを連れ込む口実を「トイレトレーニング」と称していた。