ちょっと気になる…早稲田大学周辺の「あの名店たち」のいま

激安飯を喰って雀荘へ通ったあの日
週刊現代 プロフィール

商店街を支えるのは留学生

そして、学生の食べる量にも変化があるという。

「昔、常連にはタンメンにご飯をサービスでつけていました。応援団や、早稲田精神昂揚会(バンカラ精神を昂揚するためのサークル)の学生は喜んでモリモリ食べていましたね。が、体型を気にしているせいか、今の学生はそんなに食べてくれません」(長谷川さん)

 

老舗から客足が遠のく理由は、学生だけが原因ではない。大隈通り商店街で40年近く店を構えるキッチンブンは、ハンバーグが人気の洋食店だ。店主の飯田文雄さん(67歳)は、こう説明する。

「構内にコンビニが入った影響は大きいですよ。外に出てご飯を食べなくなりましたからね。

あと、授業時間も関係しているでしょうね。20年前は、8時半始業で、11時半には午前の授業は終わりでした。お昼休みが1時間半もあったんです。だから、その時間は3回転はしたんだけど、今は12時10分ギリギリまで授業をしています。昼休憩も50分しかないから、せいぜい2回転しかできない。

大学の昼休憩の変化は、このあたりのお店に大打撃でしたね。大隈通りに70軒近くあったお店も今では20店舗くらいしかありません」

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昼食に来る学生はというと、国際色豊かになってきているという。

「おカネに困っている留学生もいると思いますよ。たまにウチでもお客さん全員が外国の人っていうこともある。そこから常連になってくれて店内が賑わうと、昔の学生が来てくれた頃を思い出すな。ついつい大盛りにしちゃうこともあります」(飯田さん)

今では、日本人の学生よりも留学生との交流を深めている飲食店は少なくない。大学の中央図書館の近くにあるキッチンミキの店主・山内康行さん(51歳)に聞く。

「韓国からの留学生がよく来ます。ウチのメニューで韓国風ハンバーグというものがあるんですが、彼らに調味料などを聞いて作ったのがきっかけです。アドバイスをもらいながらメニュー化しました。今では定着して、けっこう注文があります」

今の早稲田の商店街をかろうじて支えているのは、実は留学生なのかもしれない。

「週刊現代」2018年7月14日号より