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下手すりゃ倒産もある「学校法人・早稲田大学」の経営力研究

ハイリスク投資を決断した背景

減り続ける授業料収入

今年1月、早稲田大学による発表が、教育業界、そして金融業界で話題を呼んだ。'18年から4~5年をかけ、海外の未公開株などリスクの高い金融商品に、計約1億ドル(約113億円)を投資することを決定した。

これまで、早稲田は、1000億円規模の資産を運用に回してきたと見られている。債券などリスクの低い金融商品が中心で、'17年度の運用益は約21億円にとどまっている。

だが今後は運用益を高めるため、ハイリスク・ハイリターン投資を導入すると発表したわけだ。

果たして学校法人「早稲田大学」の経営はどうなっているのか。順に見ていこう。

 

'17年度の早稲田の収入は、計約1545億円。最大の収入源は、授業料や入学金など学生からの納付金で、約654億円にのぼる。さらに、国や地方からの補助金収入の約119億円、「付随事業・収益事業収入」の約90億円というのが大きな収入だ。

この「付随事業・収益事業収入」というのは、早稲田が経営する生涯学習機関『エクステンションセンター』の講座料収入、さらに、理工学術院総合研究所などが外部から受託している研究料などのこと。

さらには、入学試験の際の手数料約46億円、寄付金収入の約33億円などもある。

総収入額は、グラフの合計から「資金収入調整勘定」を控除したもの

現在、戸山キャンパスに、総事業費150億円をかけて、スポーツ施設や記念式典会場として使用できる『早稲田アリーナ』という複合施設を建設中だ('19年3月完成予定)。

積極的に設備投資も行い、一見、順風満帆のように見える。しかし、早稲田の経営は「授業料」と「補助金」の二本柱に依存していることに落とし穴がある。

「学生数は年々減っており、授業料や入学金、さらに入試手数料などの収入は減少傾向にあります。

しかも、文科省が大学生の東京一極集中を緩和するため、定員管理を年々厳しくしている。オーバーした場合、補助金が減額されるなどの措置が取られます。

授業料は減少、補助金も今後はどうなっていくのかわからない。それらの危機感から、リスクのある金融商品への投資を決めたのでしょう」(都内私大幹部)