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『家族という病』の著者が辿りついた、夫婦についての結論

下重暁子「しょせん他人。期待するな」

かつては愛し合って結婚したのに、今では顔を合わせば喧嘩ばかり。いつからこうなってしまったのか―。多くの夫婦が陥る問題に、人間関係について深い洞察を重ねてきた下重暁子氏が答える。

自分のことは自分でやる

最近、長年連れ添ってきた夫婦の間で、「熟年離婚」や「家庭内別居」が増えています。夫婦というのは、元をただせばアカの他人。だからこそ、期待しすぎないことが大切なんですよ。

そう語るのは、作家の下重暁子氏(82歳)。70万部突破の大ヒットとなった『家族という病』(幻冬舎)につづき、今年3月に発売の著書『極上の孤独』(幻冬舎)は人間関係に悩む多くの読者の反響を呼び、28万部のベストセラーになっている。

この度、下重氏は新刊『夫婦という他人』(講談社+α新書)を上梓。「夫婦といっても、結局は一人一人の孤独な人間同士」と、自らの経験をまじえながら軽快に記している。

私には45年も共同生活をするつれあい(夫)がいますが、お互い、自分のために何かしてほしいと相手に期待したことなんて一度もありません。約束したわけではないけれど、それぞれのすることに干渉しないのです。

そもそもお互いのこともよく知らない(笑)。じゃあ、なんで結婚したかっていうと、二人で暮らしたほうが一緒にお酒飲むにも便利だから、それだけですよ。

 

夫にはこうあってほしい。妻には寄り添ってほしい。そう願うことを別に止めはしません。けれど、期待するなら「裏切られる覚悟」も同時に持つことです。

熟年離婚を切り出されて慌てふためくなんて、悲惨です。そうなるくらいなら、最初から自分のことは自分でやればいいんです。

お茶を出してもらったり洗濯してもらったりと、相手から何か自分にしてもらうと、その後も期待してしまいます。期待すると、裏切られたときに腹が立つ。

相手に寄り添った関係よりは一人一人が自立するほうが、裏切られることもないし、ストレスがたまりにくい。

私とつれあいは、独立採算制なので、自分で稼いで自分で使っています。共同のものは2で割って、払い方はそれぞれの都合のいい方法で。

マンションも車もそうやって買いました。自由業の私が半分を頭金として即金で、つれあいが残りを月賦で払ってるんです。

家事は得意なほうがやるから、つれあいが料理をしています。私は、病気の時以外は、つれあいの面倒は見ません。一人ずつの生活が二つあるようなものですよ。

そもそも、夫婦関係って自立しながらも適度な距離を保った「平行線」であることが望ましい。周りから「結婚してるのかしてないのかわからない」と思われるくらいがカッコイイと思ってます。