有名学者も脱帽!天皇への「ご進講」そんなことまでご存じとは…

飽くなき知識欲と深遠なる教養
週刊現代 プロフィール

難問にも完璧な解答

自身もハゼ類の研究を長きにわたって行ってきた今上天皇は、生物学に関する知識が豊富だ。

今年初め、東京理科大学栄誉教授(光電気化学)の藤嶋昭氏(76歳)は「太陽エネルギーと光触媒」のテーマでご進講を行った。同氏は過去の天皇との会話を振り返り、「陛下には一本取られましたね」と苦笑しつつ、こう話す。

「陛下から『最近はどんな研究をなさっているのですか?』とご質問があったので、『光触媒を利用した蚊取り器を作っています。メスの蚊は人が吐き出す炭酸ガスに反応して集まるので、光触媒の効果で人工的に炭酸ガスを生み出し、蚊を集めるのです』というお話をさせていただきました。

陛下は私の研究の話を、難なくご理解されているご様子でした。

そこで何か興味深いお話をと思い、『開発に携わる中で初めて知ったのですが、蚊は1匹、2匹とは数えないんですよ。ご存じですか?』とお伺いしたのです」

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すると、天皇は平然と答えたという。

「『1頭、2頭と数えるのですよね。昆虫は皆そうです』と。完璧です。流石の一言でした……」(藤嶋氏)

北海道大学名誉教授(獣医微生物学)の喜田宏氏(74歳)は、'08年、「インフルエンザウイルスの生態」についてご進講を行った。

喜田氏によると、鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染は稀であるにもかかわらず、当時は感染のメカニズムが理解されないまま、いたずらに危険性が騒ぎ立てられていた。

 

「鳥インフルエンザ=人間を恐怖に陥れる新種のウイルス」との誤った情報が、一般的な認識として広まっていたという。

「本当に起こるかどうかも分からない『ウイルスの突然変異』によるパンデミックの危険性が叫ばれていました。そんな中、陛下は私に『なぜ、人に対して病原性を持たないはずのウイルスが病原性を獲得すると言われているのですか?』と尋ねられた。

学生に向けて講義をしても、ここまで核心を突いた質問が出ることはなかったので一瞬たじろいでしまい、思わず『いいご質問ですね』と答えてしまった。陛下に対して、少々失礼な発言だったかもしれませんね(笑)」(喜田氏)