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世界恐慌目前のなか、習近平がアメリカを「電撃訪問」する可能性

ロシアンルーレットの行く末は

中国国内に影響を及ぼし始めた「米中貿易戦争」

中国人民銀行(易綱総裁)は6月24日、市中銀行から強制的に預かる預金の比率を示す預金準備率を7月5日から現行の16%から0.5ポイント下げて15.5%にすると発表した。

米中貿易戦争が激化する中で、中国の国家指導部が懸念する経済減速の様相を帯びてきたことから、景気の下押し圧力を和らげる狙いがある。

この引き下げの対象は大手国有銀行、株式制商業銀行、郵政貯蓄銀行などで、市中に出回るお金は計7000億元(約11兆8000億円)増えることになる。投資や内需が低迷している上に、米中軋轢の深刻化がこれまで堅調だった外需にも影響を与えかねないからだ。

 

兆候はあった。それまでに米国金融関係者は顧客向け調査リポートの中で、同20日に李克強首相が主宰する国務院常務会議で「利下げ」を決定するのではないかと、言及していたのだ。同リポートによると、「経済・金融政策は国民経済に配慮して実施されるが、何より共産党指導部が重視するのは党員800万人である」という。

[写真]利下げを決定するのではないかと見られていた、李克強首相(Photo by GettyImages)利下げを決定するのではないかと見られていた、李克強首相(Photo by GettyImages)

今回の利下げ決定は、習近平指導部が優先してきた債務削減(デレバレッジ)の構造改革に伴うデフレ圧力、米中貿易戦争の激化による景気下振れへリスク対応である。

中国金融当局は4月、市中銀行を介さず資金をやり取りする「影の銀行」(シャドーバンキング)最終規制案を公表した。このため規制対象の企業や個人の資金調達額が急減し、一部の企業や銀行の資金繰りが逼迫していた。

なかでも景気下振れリスクを後押しするのは、金融当局のデレバレッジ方針の対象となった地方政府が進めてきた借金漬けのインフラ投資がストップしたことだ。これによって固定資産投資(1-5月)の伸び率が前年同期比、統計開始の1995年以降で最低水準に鈍化した。

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