日本対ポーランド戦後、歓喜に沸く渋谷の人々 photo by gettyimages

W杯の特番は、もう「岡ちゃんのつぶやき」だけでいいんじゃないか

手越起用とRADWIMPS愛国歌問題

あの平成問題は終わりに近づいているのかもしれない

サッカーのワールドカップ・ロシア大会。日本の奮闘もあって試合の視聴率の高さも話題だ。
 
そんななか、サッカーに詳しくない私も最後まで楽しく見ることができた「番組」があった。
 
日本対セネガル戦(6月25日)、NHKBSの「副音声」である。岡田武史氏とNHK『ニュースウオッチ9』の元キャスター大越健介氏が試合を見ながら淡々とトークを繰り広げていた。これがなんとも心地よかったのだ。

岡田武史氏 photo by gettyimages

サッカーはどんなスポーツかと尋ねられると、岡ちゃんは「サッカーは複雑系のスポーツ、不定数nがたくさん」と答える。
 
そのうち長友選手が和太鼓で体幹を鍛えた話になり(つまり話の展開が自由)、でも日本が得点を入れると話を忘れて盛り上がる。
 
見てるこっちも同じ部屋にいるような錯覚も味わえて、サッカーの知識がない私でも楽しかった。ハデに大仰に伝えなくても面白いものは面白いのだとわかった。

 

これを見て「もしかしたらあの平成問題は終わりに近づいているのかもしれない」という予感もした。
 
あの平成問題とは何か。
 
まず2点の記事を紹介する。密接にリンクしているからだ。
 
一つ目は、サッカー特番のメインキャスターに関するゴシップ記事。
 
『手越特大地雷』(東スポ・6月15日付)
 
《アイドルグループ「NEWS」の小山慶一郎(34)、加藤シゲアキ(30)に続いて、同グループの手越祐也(30)にも未成年女性との飲酒疑惑報道が飛び出した。14日発売の週刊文春が報じたものだが、テレビ局などはペナルティーなしでスルーする意向だという。》

 
2つ目は「HINOMARU」騒動の記事。
 
『RADWIMPSの新曲、軍歌のよう? 歌詞めぐり議論に』(朝日新聞デジタル6月13日)
 
《映画「君の名は。」の主題歌で注目を集めた人気ロックバンド「RADWIMPS(ラッドウィンプス)」の新曲「HINOMARU」が話題だ。「軍歌を思わせる」と歌詞に賛否の声があがり、国会でも言及された。》

 《「この身体に流れゆくは 気高きこの御国(おくに)の御霊(みたま)」「日出づる国の 御名の下に」「たとえこの身が滅ぶとて 幾々千代に さぁ咲き誇れ」と歌う。ネットでは「美しい」「国歌にしてほしい」と好意的な声が上がる一方、「軍歌のようだ」「戦争を想起させる」などの臆測も広がった。》
 
上記の二つの記事。私が感じたのは「そりゃそうなるよ」だった。

『HINOMARU』騒動で気になったのは軍歌かどうかではない。この曲はフジテレビのサッカーワールドカップのテーマソング「カタルシスト」のカップリング曲ということに注目した。つまりセットでつくられたと考えていい。
 
だからこそ「平成問題」のよい回収ができたのだ。
 
私はこの30年間ずっと「いかがなものか」と思うことがひとつあって(つまり平成のあいだずっとですが)、それは「スポーツ特番のお祭り化&感動をありがとう路線」について。
 
平成という時代は、五輪やサッカーのワールドカップを中継するテレビ局のエンタメ攻勢はすさまじかった。
 
その現象と密接な役割を果たしているのが「人気ミュージシャンにテーマ曲を歌ってもらう」という盛り上げ方法だ。

 私の記憶で言うとその演出を最初にしたのはNHKの1988年のソウル五輪である。

NHKの特番のテーマソングは浜田麻里 『HEART & SOUL』だった(ソウルとSOULをかけたのかもしれない)。

 これにはNHKらしからぬイメージがあった。公共放送で特定の曲を毎日ガンガン流したからだ。しかしこれが成功したのか、五輪中継でテーマ曲というのは根付くことになる。