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北米の反日運動を煽る「チャイニーズ・フリーメーソン」の脅威

陰謀論かと思ったら…

カナダで中国人移民が急増

カナダ・トロント市郊外に「南京大虐殺犠牲者記念碑」が建つ――。

読者の多くは何のことやらさっぱり意味がわからないと思うが、中国本土から1万数千キロも離れたカナダの街で、そんな奇妙な事態が現在進行中だ。6月21日、現地の華僑団体「トロント華人団体聯合総会」と「カナダ中国洪門民治党トロント支部」が記者会見を開き、南京大虐殺犠牲者記念碑の建設計画を発表したのである。

 

建設予定地はトロント地区郊外のオンタリオ州リッチモンドヒル市にあるElginMills墓地。記念碑は高さ2.5メートル横4.88メートルで、巻き物を横に広げたような形を予定している。

完成は今年10月を予定。建設費用は28万カナダドル(約2300万円)で、関係者によると華僑団体や(おそらく華僑の)商工会、地元の名士らの寄付によってまかなえわれるらしい。敷地は90平米を設けるというから、なかなか立派なモニュメントになるようだ。

※南京記念碑建設のプレスリリースをおこなうカナダ華人のみなさん。右のメガネのおじさんが、チャイニーズ・フリーメーソンの下部組織(カナダ中国洪門民治党トロント支部)のメンバーである。『中国新聞網』より

近年、カナダでは中国人移民が急増しており、2016年時点で総人口約3515万人に対して中国系カナダ人は約177万人。これに留学生など国籍未取得者を含めると、中国系住民の数は200万人以上に達する見込みだ(なお日本の場合、総人口約1.27億人に対して中国系住民は92万人程度だ)。

カナダ社会は非常にリベラルで、華人をはじめとしたマイノリティの社会進出も盛んである。だが、それゆえに日中間の歴史問題や政治問題がカナダ社会に持ち込まれてしまうことも多い。

例えば、昨年10月26日にはオンタリオ州議会で、華人系女性議員が提出した「南京大虐殺記念日」の制定を求める動議(注.法的拘束力はない)が可決された。トロント市内では本年内の完成を目指して「アジア太平洋平和記念館」の建設も進行中だ。

これらは香港系華人の名望家、ジョセフ・ウォン氏が率いる慈善教育団体「ALPHAEducation(AE)」という組織によりなされたもので、私は彼らについては、過去に現代ビジネスや『SAPIO』で記事を書いたことがある。(<南京・慰安婦を世界に⁉カナダを席巻する「華人系反日運動家」の素顔>)

今年2月、実際にカナダで取材してみたところ、AEは民族主義的な色彩が薄く(歴史観の面では日本の一般的な世論とは全然一致しないが)理性的な対話が可能な人たちだった。しかし、今回彼らに問い合わせてみたところ、本記事冒頭の「南京大虐殺犠牲者記念碑」建設計画については、AEは完全にノータッチなのであるという。

ならば、記念碑を作ろうとしている人たちは何者なのか?

ヒントは記者会見の主体のひとつである「カナダ中国洪門民治党トロント支部」という組織だ。洪門とは実は、清朝の時代から数百年間にわたって中国の民間社会や海外華僑の社会に根を張っている、秘密結社の総称である。