丸山ゴンザレスが踏み込む未知の空間「ナイジェリア・水上スラム」

クレイジージャーニー裏日記⑪前編
丸山 ゴンザレス プロフィール

水上集落マココへ

さて、水上集落だ。マココへは、ラゴス西部の「マココ・ロード」と呼ばれる小道から入っていった。さすがにアフリカでタクシー移動を行うのはリスクが高すぎるので、チャーターした車で向かう。

道中、GoogleMapを立ち上げる。日本でも見ていたから分かってはいたのだが、向かう先には街がない。ただの空き地として表示されている。なにかあるはずなのに、そこに何もないのは、政府の「働きかけ」があったのかもしれない。それも知りたいと思った。

しばらく車に乗っていたが、町並みに変化はない。むしろ同じような風景が続いていた。そのタイミングで、ホテルから30分くらい移動したところで運転手から「このあたりがマココだ」と言われた。現地の人が言うのだから間違いはないのだろうが、それでもここは商店の建ち並ぶただの街なかだ。

 

「すいません。マココに行きたいんですが」

屋台に溜まっていた男に声を掛ける。

「こっちだ」

そう言って歩き出す。親切な人なのか?それとも……。

相手の意図を測りかねていると、男は路地に入っていく。人がすれ違うのがやっとの幅しかない。

(おいおい大丈夫かよ?)

さすがに不安になるが、路地を歩いていると、生活音が聞こえパンの焼ける匂いが漂ってくる。そこに人の暮らしがある証拠である。つまり危ない場所には向かっていないということだ。

しばらく歩くと視界が開けた。目の前には小舟の群れがある。

「ここがマココ?」
「そうだ」

案内してくれた男はそのままどこかに行ってしまった。

小舟の隙間に水面が見える。岸に近いところにはヘドロと豚。当然のように小舟で移動している人々が見える。なんとなく白い煙が漂っている。さっきまで街の中にいただけに、非現実的な場所にたどり着いた。そんな心持ちだった。

トンネルを抜けると別世界に迷い込む。まるでおとぎ話のなかにいるようなこの状況、楽しんでみようと思った。

(後編へ続く)

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