photo by Getty Images

アメリカは今、中国を相手に「COCOMの再現」を狙っている

目的は、中国製造2025の阻止にあり

狙いは「中国製造2025」構想中止

米中貿易戦争がたけなわである。

米国は、総額2500億ドル分の中国製品に10-25%の関税をかけると言って脅し、中国は米国製大豆の輸入を禁止するなどと言い返している。

米国が予告した、中国による知的財産権侵害に対する25%の制裁関税発動は、7月6日。衝突はもう目と鼻の先にまで迫っている。しかし、何らかの回避行動がとられる雰囲気は見えてこない。

この脅し合いは、双方どこまで実行できるだろうか? そもそも、妥協や交渉で何とかなる性質のことなのだろうか?

 

米国の商店の棚はmade in Chinaの製品であふれている。ウォールマットやオフィスデポなど安売りチェーンは、中国製品が値上がりしたらやっていけまい。

中国でも、米国製品不買運動が起き、P&Gのおしめを買えなくなったら、母親たちは怒って、それこそ尻を中国政府に持っていくだろう。

米中貿易戦争は、日本にとって悪いことではない。P&Gの製品が買えなくなれば、日本のユニチャームなどには一時のチャンスだ。

しかしことは貿易の問題を超え、先端技術の開発競争に及びつつある。米国の行動はは、習近平が旗を振る「中国製造2025」構想を中止することを、あからさまに要求しているのである。

この構想は、これまで西側製品の下請けに甘んじてきた体制から脱却し、先端技術の華とされるAI、半導体チップ、デジタル制御の工作機器・ロボット、先端部品、素材、大型航空機、月面・深海探査・資源開発の強化、LNG輸送船、高速鉄道、水力・原子力発電設備、農機、バイオ・高性能医療機器等について、国産化率を大幅に高めようとするものである。

今でも中国の輸出の50%以上は外資によるものと推計されている。中国が国産化率を大幅に高めれば、過剰な生産品は、当然、海外に投げ売りしてくる。

これに加えて、電気自動車、無人運転技術の開発についても中国は力を入れているので、実現すれば中国は質量両面で世界経済をリードする。

西側諸国や日本がしがみついている高付加価値分野を総ざらいしていくばかりか、ロボット兵士やドローンなど軍事技術でも米軍を凌いでくるだろう。