アスペルガーの夫が起こすトラブルの積み重ねで妻はカサンドラになる

「カサンドラ症候群」自覚と回復の道②
野波 ツナ プロフィール

小さなトラブルが毎日いくつもある

一般的に「カサンドラ」の原因といわれるのは、この「共感のなさ」と「周囲の無理解」の2つですが、実は私が考える原因はほかにもあります。それが、「パートナーの特性に起因する日常的な小さなトラブル」と「前触れなくパートナーが持ち込んでくる大きなトラブル」です。

例えば、小さなトラブル。「アスペルガー症候群」のパートナーには、その特性ゆえ、状況を見ないで行動するのはもちろん、不注意で子供を危険に晒したり、思ったままの発言で他者の機嫌を損ねたり、ざっくりとした指示が通らない、簡単なことも想像できない、マイルールを貫くなどの行動が多く見られます。

 

一つ一つは些細なことで、「男の人って誰でもそういうところあるよね」と言われたり、笑い話になったりする程度のことですが、それが日に幾つもおこり、さらに毎日続くとなると、トラブルに巻き込まれる方は心身ともに疲弊してしまいますよね。

「共感のなさ」「周囲の無理解」から「カサンドラ」になり、「小さなトラブル」の連続で深刻化。そこに「前触れもなく大きなトラブル」が持ち込まれることで、心身の状態が限界を超えて病気になったり家庭崩壊の危機にも至るケースも少なくありません。

前触れなく持ち込まれる、大きなトラブル

我が家の場合は、その前触れなく持ち込まれた大きなトラブルが「ある日突然会社を辞めてきた」と「借金発覚」だったというわけです。

仕事を辞めるときに「事前になにも相談がなかった」というのは前に言った通りですが、勝手に辞めたことについて謝りもしてくれませんでした。ちょっとだけバツが悪そうに「あ、あのー」と。「どうしたの?」と言ったら「仕事辞めてきちゃいました……」と。それで落ち込んでいた私に、さらに1ヵ月後、今度はもう淡々と「実は借金があります」って言ってくる、という。

『旦那(アキラ)さんはアスペルガー 奥(ツナ)さんはカサンドラ』より
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「あなたはどう思っているの?」って聞いても返事がない。そこから先が無いので「これは全部私に丸投げなのね」と判断するしかありませんでした。非常に大きな事件ですよね。

人によってはそれが、よそ様にケガさせたとか、車で事故起こしたとか、浮気していたとか、そういうことにもなり、それが本当にある日突然、前触れなく発覚します。こちらが感じるのと同じくらい重大事件として打ち明けられるならまだしも、淡々と言われてしまうと相手が宇宙人に思えてきちゃう。

タイミングも最悪で、トラブル起こしてすぐならまだしも、小火が燃え広がって手に負えなくなってから「なんとかしてちょうだい」的な感じで「実は……」と打ち明けられるパターンが多いようで、結果、カサンドラ側は強いストレスにさらされることになるのです。