野波ツナさん著『旦那(アキラ)さんはアスペルガー ウチのパパってなんかヘン!?』より

アスペルガーの夫が起こすトラブルの積み重ねで妻はカサンドラになる

「カサンドラ症候群」自覚と回復の道②

「アスペルガー症候群」のパートナーを持つ人が抱える問題「カサンドラ症候群」について注目が集まっています。「カサンドラ症候群」の原因はパートナーとの間に共感がないこと、そしてそれを周囲に理解してもらえないことだと言われていますが、ツナさん曰く、「ほかにも原因がある」とのこと。一体、それはなんなのでしょうか。アスペルガー症候群の夫を持ち、本人も長年カサンドラに悩まされてきた漫画家の野波ツナさんにお話を伺います。

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「共感がない」とはどういうことか

カサンドラ症候群は「アスペルガー症候群の夫との間に共感がないこと」そして「それを周囲に理解されないこと」が原因で起きると言われています。

こう表現すると「共感がほしいなんて甘えてるんじゃない?」と言われることがしばしばあります。でもカサンドラの人が悩む「共感のなさ」というのは、単に「同意してほしい」という単純な話ではありません。別に「ああ分かる分かる」って言ってほしいわけじゃないんです。

 

同じ言語を喋ってるはずなのに、すごく表面的な感じがするというか、言葉の通じない人と日本語で喋ってるような、言葉に言い表せない違和感が集約されたのが「共感がない」という表現です。強いて言うなら、「言ったはずなのに、なんで分かってないのかな?」とか、「聞いてないのかな?」とかいう気持ちに近いでしょうか。

例えばアキラさんには、子供に対して、ご飯の前にカップラーメンを食べさせちゃったり、寝る前にお菓子を食べさせちゃっちゃたりすることがありました。世の中のお母さんなら、これがどんなに困ることかわかりますよね? でも、アキラさんは、何度理由を説明しても、何度「やめて」と言っても、やめてくれない。問題意識の共有ができず、説明しても伝わらないのです。これが「共感がない」という状態です。

『旦那(アキラ)さんはアスペルガー ウチのパパってなんかヘン!?』より
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それをママ友にポロっと「何て言ったらやめてもらえるのかな」とこぼすと、どうなるか。「ああ、でも男の人だから分かんないのよ」とか「たまにはいいんじゃない?」とか「まあそういう日もあるよね」「食べさせる前に止めればいいじゃない」って言われてしまうのです。

「止めようにも勝手にあげちゃうんだけどな」「たまにじゃなくて毎日なんだけどな」と思いましたが、あまり言ってうちが非常識扱いされるのも、「あの子のパパおかしい」って言われるのも嫌だったので「この辺でやめとこう」と引かざるを得ない。

昨日も今日も明日もそんなことが起きるということの違和感はやっぱり説明しにくく、周囲に理解してもらうことはできませんでした。これが「周囲からの無理解」ということなんですね。