野波ツナさん著『旦那(アキラ)さんはアスペルガー ウチのパパってなんかヘン!?』より

「アスペルガー」の夫を持つ妻を悩ませる「カサンドラ」って何?

「カサンドラ症候群」自覚と回復の道①

「アスペルガー症候群」のパートナーを持つ人が抱える問題「カサンドラ症候群」について注目が集まっています。「カサンドラ症候群」の原因はパートナーとの間に共感がないこと、そしてそれを周囲に理解してもらえないことだと言うのですが……。一体、「共感がない」「理解されない」とはどういうことなのでしょうか。アスペルガー症候群の夫を持ち、本人も長年カサンドラに悩まされてきた漫画家の野波ツナさんにお話を伺います。

カサンドラ症候群を知っていますか?

「発達障害」、中でも「アスペルガー症候群」のパートナーを持つ人が、そのパートナーとのコミュニケーションがうまくいかないことによるストレスから心身の不調に陥ることを「カサンドラ症候群(または、カサンドラ情動剥奪障害、カサンドラ愛情剥奪障害)」といいます。

「アスペルガー症候群」のパートナーとの間に共感が芽生えにくいこと、またそれに対して周囲からの理解が得られないことが原因でおこる不調は、感情の喪失、抑うつ状態、自己の喪失、無気力、睡眠異常、ホルモン異常による疾患、抵抗力低下による疾患、不整脈、メニエール、高血圧、線維筋痛症、がんなど多岐に渡ります。

『旦那(アキラ)さんはアスペルガー みつけよう笑顔のヒント』より
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「発達障害」に対する注目は年々高まってはいますが、パートナーとして付き合う上での具体的な困りごとは実際に経験してみないとわからないことも多いのが現実。その無理解ゆえのトラブルで、当事者もパートナーも苦しい状況に追い込まれてしまうのは不幸なことです。

そんな苦しみから立ち直る第一歩は「カサンドラを自覚することからはじまる」と、ご自身の体験をもとにした漫画を描かれているのが野波ツナさん。「アスペルガー症候群」のパートナーとの間に、一体どんな困りごとが起き、なぜ「カサンドラ」へと追い込まれてしまうのか。漫画にも登場するツナさんと夫のアキラさんのエピソードから、「カサンドラ」について掘り下げます。

 

子供が生まれて増えた「あれ?」っという瞬間

子供が一人のうちは家庭に満足できていました。けれど、子供が二人になった時に、「なんかおかしいな」と思うことが出てくるようになりました。子供が二人だと、子育てに慣れてきているはずなのに、「あれ? まだこれ言わないとだめなのかな?」っていうことが多いんです。私なんかは一人目を育てた経験を活かして二人目も育てればいいんじゃないかなと思うのですが、どうやら夫のアキラさんの中にはそういう考えがないようで…。

例えば、絵本の読み聞かせを下の子にはしない、とか。食べさせたり、服を着替えさせたりお風呂に入れたりっていう身の回りの世話はできるのに、ほかのプラスαの子育てについては、私が全部言わないとできなくて、ずっと初心者みたいな感じ。