ZOZO社員たちが次々に明かす「わが社長、前澤友作伝説」

破天荒、でも愛しい…
マネー現代編集部 プロフィール

指示はLINE

前澤氏はその働き方も変わっている。

たとえば、千葉・幕張のスタートトゥデイ本社では「社長室」にはほとんどいない。会社にいる間は、基本的にオフィスに入ってすぐのオープンな会議室で一日を過ごす。

前澤氏はメールも使わず、連絡や指示はLINE。堅苦しい決まり事に縛られて仕事をするのではなくて、「みんなで全力で楽しんで仕事に臨もう!」というのが前澤流なのだ。社員の一人は言う。

「前澤はとにかくチームプレイを大切にする人で、『自分だけがよければいい』というのを一番嫌います。うちは基本給・ボーナスが全スタッフ一律なんですが、これも『競争』より『協調』を大切にする会社にしたいという前澤の考え方が根幹にある。

前澤は理想的なチームについて『キャンプ』にたとえて、こう言っていました。『友達とキャンプに行ったときには、みんなノルマを競うのではなく、自分の得意なことを率先して、みんなが楽しめるようにするでしょ。キャンプ場近くの川で魚が釣れれば、みんなで均等に分け合う。会社もそうあって欲しい』と」

サプライズを「企画」する

そんな前澤氏は今春、初めての中期経営計画を発表。「10年以内に時価総額5兆円」との計画をぶち上げて、また周囲を仰天させて見せた。

時価総額5兆円といえば、ユニクロを展開するファーストリテイリングやリクルートHD、任天堂、三菱商事などに匹敵。スタートトゥデイの時価総額は現在約1兆円だから、「5倍増」させる必要がある。

一見すると実現可能性の低い壮大な計画に映るが、前澤氏が常人では思いつかないようなアイデアで不可能を可能にしてきたのもまた事実である。

 

実際、ある社員には忘れられない思い出があると言う。

「私が驚いたのは、15年に前澤の発案で、ZOZOTOWN10周年を記念してサプライズで商品を0円で販売するという企画を実施したことです。

ある日突然、洋服の価格が0円になる。そうすると最初は『エラーが起きている』という噂が飛び交ったものの、そのうちSNSで『いまのうちに買っちゃえ』などと拡散されるようになった。さらにはヤフーニュースのトップに掲載されて、瞬く間にZOZOの話題で持ちきりになったんです。

もちろん商品を0円で販売することによる商品コストはかかりました。でも、それ以上のプロモーション効果になったから、フタを開ければ大成功だった。ZOZOTOWNの企画や施策については前澤みずからがこうしてアイデアを出すことが多いんですが、本当にいつも驚かされる」