「事実婚って大変でしょ?」へのシンプルな答え~相続は?出産は?

「正しい家族像」って何ですか?
水谷 さるころ プロフィール

知人の話を聞いた上で調べてみると、行政書士であり、フリーの編集者の永易至文さんが「2CHOPO」というサイトにまとめた記事がとてもわかりやすかったので引用します。

永易さんはこう書いています。

”じつは、たとえ婚姻した男女の夫婦でも、法律上は相手の医療行為への同意権はない、とされています。医療行為への同意権は、「一身専属」とされているからです。”

 事実婚だから、とか成年後見人だからとか、全然関係なかった。そもそも、医療行為の同意権は法律婚してようが、親子だろうが、無いとのこと。

”でも、「病院などでは実際には医師が家族に病状を説明し、治療について家族から同意を得て進めているではないか」とおっしゃるでしょう。
それは家族がかわりに同意しているのではなく、「家族なら本人の医療についての意思をよく知っているだろう」「家族の話によれば、本人はきっと同意するだろう」という推測にもとづいた、あくまでも「グレーな措置」にすぎません。くり返しますが、法律上、家族だからといって医療同意権があるわけではないのです。”

とはいえ、本人に意識がない場合は本人が「そのまま死にたい」と思っているか、「助けて欲しい」と思っているかわからないので、付き添いがいなくても病院に運び込まれたら医療行為は受けられます。現状、人命が優先されるからです。

私が調べていたときに色々教えてくれたお医者さんによると、本人の意志がわからないからといって手遅れになるようなことはあってはならないし、その場合は同意無しで処置を進めて、後から説明をするそうです。

医療行為の同意権と同様に、病院はあくまで実態重視です。「事実婚で看取りができない」「家族じゃ無いから病室に入れない」は、法的な根拠はなく、家族として堂々としていればいいのです。中には「トラブルを回避したい」などの理由から「事実婚の方にはご遠慮頂く」というような病院もあるかもしれませんが、もしもそんな病院に当たったら、私は全力で戦おうと思います。

 

結婚の一番のメリットを得られなくても

このように、我々はあまり事実婚である事に不便を感じてないのですが、本来は財産を共有するのがパートナーシップの大きなメリットであることは理解しています。

夫婦2人に事情があって事実婚をしている場合や同性パートナーも含め、今度の民法改正については、山尾議員の言うように「家族の実態」ついて柔軟な対応ができるようにしてほしいと感じています。

柔軟な対応は、選択肢に幅をもたせます。杓子定規に「ここからここまでが家族だ」と決めてしまうことで、家族の選択肢は減り、結婚へのハードルが上がります。もちろん出生数にも関わってくるでしょう

我が家に「ご主人様がいない」のは、私自身がサポート的な「妻」を求められたくないように、夫も「ご主人さまをやるのは大変なんだよ」というタイプだからです。理想の家族像を決められても、人には向き不向きがあります。今まで通りのスタイルが合う人はそのまま、向いてない人は別の形を取れるようになっていってほしいのです。

「選択性夫婦別姓制度」の導入も含め、少子高齢化の社会だからこそさまざまな家族の形を認められる社会になれば、私たちが事実婚にこだわる理由もなくなるかもしれません。「正しい家族像」を固定化し、それ以外を切り捨てるような社会ではあってほしくないと、心から願っています。

『目指せ!ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』より©水谷さるころ
お互いに離婚を経験したからこそ「良い夫婦関係」を心から望んだフリーランス夫婦が、「自分たちがどんな結婚をしたいか」に向き合い、話し合い、自分たちのルールを決めていった過程が描かれたエッセイ&漫画。「家の中で起こったことはマンガに描いてもOK」というルールのもと、夫婦げんかも赤裸々!「あるある」満載だ。