『目指せ!ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』より ©水谷さるころ

「事実婚って大変でしょ?」へのシンプルな答え~相続は?出産は?

「正しい家族像」って何ですか?

夫婦とも再婚で、「自分たちにあった結婚をしたい」と事実婚を選んだイラストレーターの水谷さるころさん。どういう家庭で選んだかはこちらの記事『バツイチ同士が「事実婚」を選んだら、夫婦関係が劇的に変わった!』や著書『目指せ!ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』に詳しいが、「事実婚だとできないことが多いのではないか」「デメリットをもっと知りたい」というコメントが多く寄せられた。そこで改めて事実婚のデメリットとメリットをどのように考え、対応したかを教えてもらおう。

 

40年振りの民法改正では事実婚はスルー

相続における民法改正案が国会で審議され、40年振りの見直しが話題となっています。

6月19日の審議では、立憲民主党の山尾志桜里議員が「事実婚と同性婚を視野に入れていない」と、家族の多様性についてもっと対応できるように反対討論を行いました。事実婚をしている私たちにとって、他人ごとではないような話題です。

山尾志桜里議員は「夫婦別姓を望むなどの事情があり、事実婚をしている人達を対象から排除するのは不公正である」というようなことをおっしゃっていました。確かに事実婚には色々と法律婚に比べてデメリットが色々あります。

我々夫婦が事実婚を選んだのは、主に「夫婦別姓でいたい」という理由がまず大きいですが、それ以外にも「法律による婚姻関係にかまけて、お互いに向かい合うのを忘れないようにしたい」という気持ちや、夫が大黒柱妻は内助の功のような「保守的な家族観の押し付け」を他者からされたくないなど、心情的なものも多くあります。

我が家は自主自立の夫婦関係で「ご主人様はいない」のです。なので、やむを得ず事実婚をしているというよりは「積極的に事実婚をしている」状態で、致し方なく事実婚をしている例とは少し違うかとは思います。

そんな我々が事実婚でなるべくデメリットを被らないようにどうやって対処しているのかと言いますと……。

最大のデメリットを放棄

事実婚の最大のデメリットは主に財産についてです。例えば相続問題では、民法改正案に問題があると指摘されるように、現状も改正後も相続においては法律婚と事実婚では差があります。もちろん、遺言状などで遺産を事実婚のパートナーに相続することはできるのですが、税率に差がありますし、公正証書を作成しなくてはならず、事実婚のほうが金額的なデメリットが多いのです。

そこで我々がとっている対処法は……「共有財産を持たない」なのです。

『目指せ!ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』より©水谷さるころ

共有財産を持たない理由の一つは「神に誓っても人前で誓っても離婚した経験がある2人だから、一生一緒にいる前提で家庭設計するのはやめよう」というネガティブな理由もあります。初婚でそもそも自分達は「離婚する」なんて思って無かったわけですが、実際に離婚しています。「一生一緒にいるつもりだったのにできなかった……」という挫折感もあり、自分達を全然信用していません。

家を買う予定もありません。夫は初婚でマンションを購入しましたが、離婚して手元には何も残りませんでした。そのような経験からも我々は結婚とは「死が2人をわかつまで共に歩む」という誓いではなく、死別するまで共いたらそれはそれでOK。お互いのやりたいことが別になったら別々の道を歩むのもアリ……。「お互いが納得していれば、別離さえも不幸ではない」という、かなりドライな考え方になりました。