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「半分、青い。」は、日本の衰退を教えてくれるドラマだ

時代の「反面教師」として

NHK連続テレビ小説「半分、青い。」が、4月2日の第1週視聴率20.1%から6月25日の第13週でも20.9%〜21.9%と好調をキープしたまま快走している。

主な視聴者層は1971年に生まれた主人公楡野鈴愛(にれのすずめ)と同時代を生きてきた40〜50代と言われ、彼らは自らが育った時代を反芻しながら、懐かしさに引き込まれていくのだ。

脚本を手がける北川悦吏子氏がSNSで“神回予告”を行なう等、午前8時〜8時15分、もしくは午後0時45分〜1時の再放送時にテレビ画面を見る層以外を巧みに取り込みながら、「半青」は、これまでの朝ドラとは異質な「ラブコメ」要素も含んで展開していく。

一方、ドラマを楽しむと同時に見えてくるのは、現在の日本の停滞・衰退を象徴するような、昭和期後半から平成に至る半世紀の政策的失点である。

主人公鈴愛を巡る家族や友人、仕事場での会話の端々に、あの時代に次の時代を予見して政策的舵が切れなかったことの本質が宿るのだ。

トレンディドラマの女王が描く「団塊ジュニア史」

「ここ最近60年代以前を舞台にした作品が多かったので、平成も終わろうとしている今、トレンディドラマの女王と言われた北川さんに、バブル期を描いていただきつつ、昭和平成史を振り返るのは面白いのではないかと考えました」

「半分、青い。」の時代設定を1971(昭和46)年からの半世紀にした狙いを、制作統括の勝田夏子氏はこう語っている(「プロデューサーが語る北川悦吏子脚本“昭和平成史”への期待」コンフィデンス)。

制作者自らが、これは「団塊ジュニア史」であると宣言しているとも言える。

 

冒頭に示した通り、主人公楡野鈴愛は日本中が大阪万博に湧いた翌年1971年岐阜に産まれる。

その1年後は沖縄返還が行なわれるという、日本にとってまさに「戦後」の影を完全に取り去ろうとしていた時期である。

鈴愛も含めた1971年から1974年までに生まれたこの世代は団塊ジュニア、第二次ベビーブーマーと呼ばれ、ピーク時の1973年は210万人の出生があった。

一方で、このベビーブーム後半の1973年までは日本国内の労働力調整のために、日本人移民を乗せた船が南米に向けて就航していた。

街には戦後の雰囲気はなくなっていたものの、個々人の人生の選択にはその影響が残っていた時代でもある。

人口問題を扱う政策決定者たちは最後の移民船を送った後、たった10年足らずで、アジア諸国から労働力を補強、バブル期には移民先の南米諸国からも日系人とその家族たちを労働者として再び受け入れることになるとは思っていなかっただろう。

当時、これから直面する少子高齢化に対しての危機感はまったくなかったのだ。