地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
この日、ソ連によって設営された南極の観測基地、ボストーク基地において、観測史上最低となるマイナス89.2度が記録されました。
ボストーク基地は、南極点より約1730キロメートル離れた場所にあります。年間の平均気温はマイナス50度以下で、観測が始まって以降、一度も0度を上回ったことはありません。まさに極限の環境です。
また、基地の真下、約4キロメールの厚さの氷の下には、面積が琵琶湖の20倍もある巨大なボストーク湖が存在していると考えられています。しかも、この湖には水が液体の状態で溜まっているということです。
この湖には潮汐があることや中央に島があることがわかっています。また、掘削により深度3,628メートルの地点まで掘削と分析を行なった結果、氷は約42万年前にできたと分かりました。
そもそも、なぜ極寒の地に凍らない湖が存在しているのでしょうか? それは、氷の重さによる圧力によって、水の凝固点が下がるためだそうです。
およそ50万年から100万年前の水が封印されていると考えられるとのことで、実際に多数の新種のバクテリアが発見されています。当時の地球を知る重要な手がかりを期待してしまいますね。
関連書籍
上平 恒 著
“ミクロに見たその驚くべき振る舞い” 固体(氷)のほうが密度が小さく、4℃で密度最大--水は非常に特殊な物質だ。各種の化学反応の場となり、生命現象を司る水の不思議を、その構造から解明する。