「口臭」を気にするなら、食後すぐ歯を磨く、はNGだった

舌をゴシゴシ…も逆効果だって!?
桐村 里紗 プロフィール

食後にも歯磨きをしたい人は、30〜60分が過ぎてからにしよう。口腔内環境が整った時点で、歯磨きをするのがいい。

すなわち、細菌濃度の低い食後に歯磨きを焦る必要はないのだ。

しかし、食後8時間くらい放置すると、歯垢が形成されはじめる。48時間くらい放置すると、がっちりと強固な足場を組み、複数の細菌達が幾重にも重なりあうバイオフィルムを形成していく。

磨き残しの放置も同じプロセスをたどってしまうので、とにかく、しっかりと歯間ケアをすることが大切なのだ。

バイオフィルムが形成されてしまうと、磨いても落ちないし、抗菌成分も届かないほどのディープな細菌の砦となってしまうので、セルフケアではお手上げだ。歯科で専門的にケアしてもらうしかない。

あなたの口臭は生活習慣病だ

歯磨き粉を選ぶなら、裏の表示を必ず確認する習慣をつけよう。

自己満足の「磨いたつもり」の原因になる発泡剤、歯や粘膜を傷める可能性のある研磨剤や界面活性剤などが入ったものには、注意したい。

泡立たないと物足りないかもしれないが、ずっと使い続けても安全なものに慣れておくほうが賢明ではないだろうか。

口腔内環境にとって、歯磨き粉以上に重要なのは、唾液だ。

老化現象に伴っても唾液は減るが、現代的な生活習慣も唾液分泌を低下させる原因になる。

柔らかい食べ物を志向することによる、咀嚼回数の減少。PCやスマホの使い過ぎによる猫背の定着で起こる、筋力の低下による口の半開き。ストレスによる交感神経の緊張による、唾液分泌の低下──。

思い当たることが多いのではないだろうか。

口臭の原因となる歯周病も、生活習慣病の一種である。つまり、単なる老化現象ではなく、自分自身の普段やっている生活習慣こそが、原因となるのだ。

口臭だけではない、加齢臭やミドル脂臭、汗臭などの体臭も、老化だけが原因ではなく、生活習慣によるところが大きい。いずれも、体内の不健康の現れである。

つまり、セルフマネージメントをすることで、体内環境を健康に保つと、悪臭も改善することができる。

人生100年、まだまだ先は長いが、後半寝たきりになる未来を想像すると、辛い気持ちになる。今からしっかりと自身の習慣をマネージメントする価値は大きい。

「自分の健康のため」ではなかなかスイッチが入らない人も、「自分の悪臭を改善するため」であれば、習慣を持続するモチベーションの源泉になるのではないだろうか。拙著『日本人はなぜ臭いと言われるのか』では、その方法論をたっぷりと紹介した。ご一読いただければ幸いである。