「口臭」を気にするなら、食後すぐ歯を磨く、はNGだった

舌をゴシゴシ…も逆効果だって!?
桐村 里紗 プロフィール

「歯磨きをしていれば、大丈夫」
「食後すぐに歯磨きしてるから、問題ない」
「舌ブラシまで使っているから、完璧」


これらは、すべて「自己流の範囲内」だと思ってほしい。

そもそも、歯磨きさえできていれば、口腔ケアは完結すると思っていないだろうか。

しかし、残念ながら、それは功を奏していないようだ。歯磨きの回数が増えても、口臭の原因となる歯周ポケットを持つ人口は増加傾向となっているのである。

厚生労働省によると、1日2回以上歯磨きをする人は、昭和44年は20%以下だったが、年々増加し続け、平成28年には77%になっている。さらに、3回以上歯磨きをする人は、平成11年から28年まで右肩上がりとなっており、10%以上増加している。

歯磨きについては、日本人は比較的、真面目に実践しているようだ。

それなのに、治療対象となる4mm以上の深い歯周ポケットを持つ人は、平成11年から28年にかけて、どの年代でも増加している(厚生労働省「平成28年歯科疾患実態調査」による)。

この矛盾。磨いたつもりで、磨けていないとは、残念だ。

ここが変だよ、日本人の歯磨き

日本人の常識的な歯磨き、いったい何がいけないというのだろうか。四つの問題点を指摘しよう。

一つ目は、「磨くタイミング」だ。

日本人は、主に食後に歯磨きをする。しかし、これは日本だけの特殊な習慣だ。

食後は、食べ物や唾液によって流されて口腔内の細菌数は最も少ない状態になっている。クリーンな状態なので、本来ここで磨く必要はない。

それに、砂糖を使った甘いものや肉類、アルコールなど現代人が好きな食べ物は、食後に口腔内の環境を酸性に傾ける。すると、歯のリンやカリウムが溶け出し、歯のエナメル質が少し柔らかくなる。その状態で、研磨剤や界面活性剤の入った歯磨き粉でゴシゴシやると、歯のエナメル質や歯肉を傷つけてしまう。
 
二つ目は、「唾液力」を低下させてしまうことだ。

食後に分泌がピークになる唾液には、極めて重要な働きがある。口の中を清流のように流れながら、酸性に傾いた環境を中和し、殺菌し、歯垢の付着を防ぎ、歯のエナメル質や粘膜を修復している。

唾液こそが、口腔内環境の健康に最重要である。それなのに、食後に歯磨きをしてしまうと、肝心の唾液を流してしまう。もったいないことだ。

三つ目は、「磨いたつもり」だ。

多くの市販の歯磨き粉には、発泡剤が入っている。だから、よく泡立って気持ちが良い。口の中がモコモコすると、なんだか磨けている気になってしまう。しかし、モコモコによる自己満足は、磨き残しの原因になる。