60歳以上が5億人に…!「超高齢大国」中国の未来がヤバすぎる

未来の中国年表が雄弁に物語る悪夢
近藤 大介 プロフィール

日本の高齢化とは異なる二つの点

ただし、中国社会の高齢化が、日本社会の高齢化と決定的に異なる点が、二つある。

一つは、高齢化社会を迎えた時の「社会の状態」だ。

日本の場合は、先進国になってから高齢社会を迎えた。

日本の65歳人口が14%を超えたのは1995年だが、それから5年後の2000年には、介護保険法を施行した。また、日本の2000年の一人当たりGDPは、3万8533ドルもあった。

いわば高齢社会を迎えるにあたって、社会的なインフラが整備できていたのである。

 

ところが、中国の一人当たりのGDPは、2018年にようやく約1万ドルとなる程度だ。65歳以上人口が14%を超える2028年まで、残り10年。

中国で流行語になっている「未富先老」(豊かにならないうちに先に高齢化を迎える)、もしくは「未備先老」(制度が整備されないうちに先に高齢化を迎える)の状況が、近未来に確実に起こってくるのである。

日本とのもう一つの違いは、中国の高齢社会の規模が、日本とは比較にならないほど巨大なことだ。

中国がこれまで6回行った全国人口調査によれば、特に21世紀に入ってから、65歳以上の人口が、人数、比率ともに、着実に増え続けていることが分かる。

そして、2050年には、総人口の23.3%、3億1791万人が65歳以上となる。

23.3%という数字は、日本の2010年の65歳以上人口の割合23.1%と、ほぼ同じである。

2050年の中国は、80歳以上の人口も総人口の8.9%にあたる1億2143万人と、現在の日本の総人口に匹敵する数に上るのである。

想像を絶する世界

実際、中国では、すでに高齢化問題が深刻化になり始めている。

中国人民大学中国調査データセンターは、2014年5月から11月にかけて、全国28地域で、60歳以上の高齢者1万1511人を対象に、詳細な生活調査を実施。その結果を、『2014年中国老年社会追求調査』レポートにまとめている。

調査の一つとして、日常の10項目の行為を、「他人の手を借りずにできる」「一部の助けが必要」「一人ではまったくできない」に3分類した。

10項目とは、電話する、櫛で髪をとかす(女性は化粧する)、階段を上下移動する、街中を歩く、公共交通機関に乗る、買い物する、自分の財産を管理する、体重を量る、料理を作る、家事を行うである。

その結果、10項目とも「他人の手を借りずにできる」と答えた高齢者は、全体の59.22%しかいなかった。この調査は、男女別、都市農村別の結果も出しているが、農村地域に住む女性高齢者の場合、39.18%しか、10項目すべてに合格しなかったのである。

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これは、全体の4割の高齢者が、何らかの介護を必要としていることを示している。農村地域の女性高齢者に関しては6割だ。

前述の『世界人口予測2015年版』によれば、中国の60歳以上の人口は2億915万人なので、大ざっぱに計算して「要介護人口」は、8533万人となる。

また、2050年の60歳以上の予測人口は4億9802万人なので、これに当てはめると、「要介護人口」は2億75万人となり、実に2億人を超える計算となる。

日本の厚生労働省の統計データによれば、2017年11月現在で、日本の要介護認定者数は、65歳以上の18.0%にあたる641万9000人である。2億人と言えば、その31倍(!)にあたる。

世界最速で高齢社会を迎えている日本人から見ても、中国の高齢化は、想像を絶する世界なのだ。