大ブームの「認知症保険」本当に使えるの…?

加入したことも忘れてしまったら…?
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自動車事故も保障される?

一方で「個人賠償責任保険」では補償されないケースもある。FPの内藤眞弓氏が語る。

「一般的に個人賠償責任保険は、相手にケガをさせたり、器物を破損した場合にその損害を補償するのが原則です。

そのため認知症の人が徘徊し、線路に入って電車を止めてしまい振替輸送料や人件費を請求された際は、保険金が下りません。誰もケガをしてないし、壊れてもいないという論理です」

しかし、昨年それを補償する特約が販売され注目を集めている。それが三井住友海上の「GKすまいの保険 グランド(家庭用火災保険)」と、あいおいニッセイ同和損保の「タフ・住まいの保険 ワイドプラン」だ。

この2つの保険には電車を止めてしまった際の損害などをカバーする「電車等運行不能賠償追加型特約」を付けることができる。

とはいえ、毎年更新がある自動車保険ならまだしも、火災保険は最初の段階で個人賠償責任保険に加入していないと、家族が認知症になったからといって新しい保険に乗り換えて特約をつけるのは難しい。

「保険の契約は、満期まで改定前の内容になります。途中で特約の付け替えはできません。

とくに火災保険は契約期間が長くなることが多いため、約款が改定されても契約内容は古いままということもある。これでは、いざというとき賠償金が下りないこともある」(前出・豊田氏)

 

いま入っている火災保険や自動車保険の見直しでは難しい――。そんな人のために便利な商品が昨年、発売された。

リボン少額短期保険株式会社の「リボン認知症保険」だ。これは認知症に特化した初めての損害保険で、単体の商品として加入できる。保険料は毎月1700円からで、最高1000万円まで補償される。

「認知症患者が起こしやすい様々な事故、トラブルに対する損害を補償します。この保険の特徴は、他の保険と違い何歳であっても、すでに認知症を患っていても入れること。

認知症患者本人が申し込むケースが2割で、息子さんや娘さんが申し込むケースが8割です」(リボン少額短期保険株式会社代表取締役の織戸四郎氏)

前述の通りリボン認知症保険は補償限度額が1000万円。不安だという人はやはり自動車保険やクレジットの個人賠償責任保険に加入したほうが無難だろう。

「少額短期保険は、手軽に入れるのがメリットですが、保険料のわりに補償額が少ないのが欠点です。その点、個人賠償責任保険は特約でしか付けられないかわりに、年間2000円ほどの保険料で、補償額が1億円になる」(前出・横川氏)