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マツダ新社長に立ちはだかる「3つの壁」の正体

壮絶なコストカットが始まった

新社長にはさっそく試練

6月26日開催の株主総会後の取締役会でマツダの小飼雅道社長(63歳)が会長に就き、後任に丸本明副社長(60歳)が昇格する。2000年代の経営危機から脱した最近のマツダの業績は堅調だが、新社長には「北米」「コスト」「トヨタ」という3つの大きな壁が立ちはだかる。

マツダは2012年、コモンアーキテクチャーを採用した「CX-5」を発売以来、販売は概ね堅調。グローバル販売台数は、2012年3月期の125万台から18年3月期は過去最高となる163万台に到達した。2000年代のマツダは経営危機に陥っていたが、設計哲学・手法を大きく変えて、共通設計を多用してコストを落とし商品力を向上させる「コモンアーキテクチャー」によるモノ造りを展開することで甦った。

そしてマツダはいま、さらなる質的量的な成長ができるかどうかの局面に立たされている。こうした重要局面で新たに舵を取る丸本新社長の責任は重い、と言えるだろう。

丸本氏は1980年に慶応大学工学部を卒業してマツダに入社。「MPV」の主査などを務めた技術者で、1999年、41歳というマツダでは史上最年少の若さで役員に就いた。実は、年齢は小飼社長の方が上だが、役員になったのは丸本氏のほうが5年早い。

 

丸本氏は役員就任後、欧州R&D事務所長、プラットフォーム・プログラム開発推進本部長などを歴任し、開発部門を担当してきたが、08年からは経営企画、収益管理、コスト革新など管理部門に転じた。13年に副社長に就任後は、米州事業と管理部門全般を見てきた。

開発出身者がマツダの社長に就くのは、ロータリーエンジンの開発を推進した故・山本健一氏以来だ。マツダはユニークな製品を世に送り込む能力の高い会社であると同時に、過去を遡ると、開発部門のコスト意識が低く、身の丈を超えた投資をする傾向があった。

これを反省して、開発部門からは社長を出さない不文律があったが、「自分が開発のことを知っているだけに、理論整然と開発からの要求を退ける寡黙なコストカッター」(マツダOB)と評される丸本氏は、同じ轍は踏まないだろう。

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