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西野ジャパンがW杯前に喫した「連敗」の意味が、いまわかった

「戦術のアップデート」を続けるために

「神風」だけではなかった

「まだグループリーグは2試合あるので、そこをしっかりと準備して突破できるように」

コロンビアに2―1で勝利を収めた後、長友佑都は語っている。乾坤一擲で臨んだ初戦をものにした。それは会心の勝利だった。

「神風が吹いた」

実状はその表現がふさわしく、すべてが日本に有利に動いた。

コロンビアはまず、エースであるハメス・ロドリゲスが筋肉系の故障で先発を外れている。試合開始早々、香川真司が裏に出したボールに対応できず、ダビンソン・サンチェスは大迫勇也に体を入れ替わられる失態。シュートはどうにかGKがブロックしたものの、こぼれ球を香川に押し込まれかけ、カルロス・サンチェスが手を出し、PKの判定。決定機阻止で退場になった。

「1人少ない10人になったことで、厳しい戦いになった」

コロンビアの選手たちが揃って悔しがったように、PK献上以上に1人少なくなったことが痛手だった。

では、相手が自壊した「神風」が金星の理由だったのか? コロンビア戦の様相を解き明かすことは、今夜のセネガル戦に向けた検証となるだろう。

 

「おっさんジャパン」だからこそ

「これまでの経験が生きた」

日本の主将である長谷部誠は、コロンビア戦をそう振り返っている。「おっさんジャパン」と揶揄されてきた今回の代表だが、その経験が吉と出た。リードした後、日本はペースを失って同点に追いつかれたが、(相手が10人だったとはいえ)そこから逆転した反発力は見事だった。

「(前半はリードしてから下がり過ぎたので)リスクを負っていくところは行こうと話しました。中盤(香川、柴崎)が下がり過ぎていたので、一つ前でボールを受けられるように、誰かが行ったら他の誰かがカバーする形にしました。それで後半は自分たちがボールを持てるようになって。(酒井)宏樹がシュートで行ったシーンとかは、サイドバックがペナルティエリア内まで入っていました」

今回の勝利は、4年前、ブラジルW杯の捲土重来となっている。当時、ザックジャパンは初戦のコートジボアール戦でリードしながらも追いつかれ、逆転負けを喫した。試合のコントロールを自ら失い、イニシアチブを明け渡してしまった。しかし今回は、同点にされてからリカバリーしてみせた。

「複数失点しなかったのは僥倖だった」

波状攻撃を受け、それも一理はある。しかし、選手たちが反発力を示したのは事実だ。

「サッカーは結果がすべて。結果を出せなければ、叩かれても仕方ない。4年前は何もできなかった。その経験のある選手が多い」

そう語った大迫勇也も、ブラジルW杯では何もできずに大会を終えているが、コロンビア戦ではマーカーに競り勝つヘディングで決勝点を叩き込んだ。

大迫が得点した瞬間(Photo by gettyimages)

「(ゴールシーンは、本田)圭佑さんから最高のボールが来ました。あれは練習からやっていた形で。ディフェンスにマークはされていましたが、自分の頭に合わせて落ちるボールでした」

ブラジルW杯の悔しさを経験した選手たちは少なくない。グループリーグ最終戦ではコロンビアに1―4と惨めな逆転負けを喫し、引導を渡されている。ようやくその借りを返した格好だ。

「この4年間、必ずしもうまくはいっていない。苦しいことの方がずっと多かった」

そう明かしたのは、ブラジルW杯でも主力の一人だった長友である。

「だから、W杯で絶対に成功したい、(低い)評価を覆したい、と思って来た。(それでこの勝利をつかんだわけだが)嬉しい、という感情表現では足りない気がする。これだけ、『おっさん、おっさん』と言われてきたんで」

長友はそう言って笑った。