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上司から「やりたくないこと」を指示された時の対処法

期待と実際のズレはこう修正する

新入社員が働きはじめて3ヵ月。最近では配属が決まるこの時期に、「自分の抱いていた期待と実際の仕事が違う」「人間関係で悩みがある」などのストレスから心身の不調を訴える社員が現れ、「6月病」と呼ぶこともある。

仕事における期待と実際のギャップに悩むのは、新入社員に限ったことではないだろう。特に、若手のうちは、自分の期待を「上司」によって打ち砕かれる場面もある。

たとえば、あなたは、これまで上司から「やりたくないこと」を指示されたことがあるだろうか。時間がかかること、面倒なこと、苦手なこと、評価につながらないこと、あまり意味がないと思われること、そんなことを指示された時、何ができるのだろうか。

ただ残念なことに、ビジネスパーソンである以上、私たちは上司の指示には従わねばならない。しかし、ずっとガマンを続けているだけではストレスもたまってしまう。そんな場面でうまく対処するためのヒントを、産業医で『会社に殺されない働き方』の著書もある、難波克行氏が教えてくれた。

上司からこんなことを指示されたら?

筆者は産業医として、これまで数多くのビジネスパーソンとの面談を行ってきた。「最近、仕事でストレスに感じていることはありませんか」とたずねてみると、「実は、上司からこんなことを言われた」「こんな指示をされて困っている」というようなことを話す人が意外に多い。

ある営業職の社員は、新しく着任してきた上司から、営業日報の書き方を細かく指示されることにうんざりしている。

本人としては、売上げノルマを達成してさえいれば、これまで同様、自分のやり方で仕事を進めていきたいと考えている。日報の書き方や販促プロジェクトの進捗など、本部の指示ばかりを気にしている上司とは、ウマが合わないと感じているそうだ。

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また別の社員は、あるプロジェクトのリーダーに任命されて弱っているという。自分は他の人をまとめてプロジェクトをひっぱっていくタイプではないし、そもそも自分よりもずっと経験豊富な適任者がいるのに、なぜか上司は自分を選んだのだという。

上司に何か相談しても、すぐに「あなたの意見は? あなたがリーダーなんだから、自分で考えて自分で決めなさい」と返されてしまう。メンバーの意見がまとまらなくて困っているのに、上司は黙って見ているだけで、全く手助けしてくれないのだという。

 

ストレスは「期待と実際とのズレ」から生じている

上司からやりたくないことを指示された時のストレスは「相手への期待と実際とのズレ」が原因で生じている。つまり、自分が相手に「こうしてほしい」と期待していることを、相手がしてくれなかったり、相手にはできなかったりするとストレスが生じるのだ。

また、相手から自分に「こうしてほしい」と期待されていることを、自分はやりたくなかったり、自分にはできなかったりする時もストレスに感じる。

先ほどの営業職の場合は、上司に「ノルマさえ達成してれば、自分のやり方で仕事をさせてほしい」と期待しているようだ。

しかし実際には、上司は「日報を細かく書いて、さらに、販促プロジェクトも本部の計画通りに進めるように」と、むしろ、本人のやりたくないことを要求してきており、お互いの期待と実際との間には大きなズレが生じている。

また、もうひとつの事例では、部下は上司に「自分をプロジェクトのリーダーに任命しないでほしい」とか「もっと手伝ってほしい」と期待しているが、上司は「プロジェクトのリーダーとして、自分で考えて、自分で決めなさい」と、本人にはかなり難しいことを要求しており、こちらのズレも大きいようだ。