コロンビア戦の開催地・サランスクのコムニスチチェリカヤ大通りには、日本を歓迎する看板がしっかりあったが……(写真の撮影はすべて竹田聡一郎)

ロシアでは香川より、大迫より、『進撃の巨人』が人気だった

放浪派ライターのロシアW杯報告第2弾
ロシアW杯日本代表チームの露払いをすべく、日本戦の開催地を中心に取材を進めているライター・竹田聡一郎氏。その他大勢組の出場国からやってきた悲哀を味わっていたが、コロンビア戦で大金星を上げた以降は、だいぶ状況は変わってきているようで……。

やっぱり日本代表よりC・ロナウド!


大事な大事な初戦で、グループリーグではもっとも難敵と思えるコロンビアから金星発進をした我らが西野ジャパン。ランキング45位飛ばし(日本61位、コロンビア16位)の勝ち点3、南米勢から初勝利、大迫「半端ねえ」世界デビュー、瞬間最高視聴率55%etc……。

国内では、様々な歓喜のニュースが飛び交っている。これから、もはや4年ごとの風物詩となった、手のひら返しの報道をはじめる媒体や書き手も出てくることだろう。引き続き、見所はたくさんだ。

 

では、現地の西野ジャパンの認知度と評価はどうだろう。

「サランスクの奇跡」、その舞台となった街で、楽しみにしているゲームと注目選手について、開幕前に人々に質問したが、どうしてもポルトガルとクリスチアーノ・ロナウドの声が挙がった。これはまあ、仕方ない。イベリアダービーのハットトリックでその熱もさらに高まったことだろう。

偶然、僕が泊まったホテルは、10日後に日本代表の宿舎となるメルキュールだったのだが、そこの従業員のマリアさん(美人)ですら、「サッカーはあまり知らない」と言いながら、「ポルトガルのスター選手が来るの」と忖度0%で語ってくれた。実際に西野ジャパンと接して、そしてコロンビア戦の勝利で、彼女の注目度が変わることを願うばかりだ。

24日のセネガル戦の開催地・エカテリンブルクは140万人都市だけあって、もうちょっと日本について知っている人が多かった。

セントラル・スタジアム方面に続く大通り、プロスペクト・レニナのイゼット川東側には、エカテリンブルク開催ゲームの、簡単な紹介ボードが設置されている。FIFAランクや出場回数や対戦成績などが両国で比較されていた。

セネガルの顔はエースのサディオ・マネ。ポーランド戦ではフル出場を果たした

ボードの前で足を止めたチモフイさんという50代のおっさんに日本のことを聞くと、「ホンダは知ってる。あとは知らん」とのことだ。ホンダのことは好きで、「ミランに行ったのがいいことだったのかわからない」と難しい顔をしていた。このおっさんに限らず、ロシア人のサッカー好きの間では本田圭佑の認知度は高い。

※本田圭祐は、2010年から2013年、ロシア・プレミアリーグのCSKAモスクワでプレーしていた。ロシア・プレミアリーグでプレーした最初の日本人選手である。ロシアリーグ所属チーム史上初となるCLベスト8への原動力となった。

余談だが、その付近の書店でさらなる情報を求めると、店内のスポーツコーナーにはブッフォン、メッシ、スアレス、ズラタンの自伝が並んでた。『心を整える』や『長友佑都のヨガ友』はなかった。

※『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』長谷部誠著(幻冬舎文庫)。『長友佑都のヨガ友(トモ)  ココロとカラダを変える新感覚トレーニング』長友祐都著(飛鳥新社)。日本ではベストセラーとなったが……。

ロナウドやメッシ、ネイマールはロシア全土で人気

メガネをかけた店員さんに「サッカー、マガジン、ヤポニア」と、ボールを蹴るポーズと本を広げるジェスチャーを添えて、片言露語混じり英語で攻めるが、まったく伝わらない。店員さんが「ああ!」と言うのでついていくと、漫画『進撃の巨人』のロシア語版のところに案内されてしまった。巨人はロシアでも進撃しているらしい。

『進撃の巨人』の他にも『NARUTO』など日本の漫画が並んでいた

また、巨大ショッピングモール「Grinvich」内のアディダスにはスペイン、メキシコ、ドイツ、アルゼンチンのユニホームはあったが、日本代表ユニフォームの扱いはなかった。「日本のは? ここで試合するのに」と髭マッチョの店員に言うと、彼は口を一文字にして無言で首を振る。なんだか悲しいクレーマーになってしまったので、謝って退散した。

エカテリンブルグ最大級のモール「Grinvich」にて