セクハラをなくすには?海外メディアの女性らが明かす「被害と本音」

対策もここまで進んでいる
小林 恭子 プロフィール

協会でもセクハラまがいの行為

しかし、協会自体もセクハラ問題に万全ではなかったことが、メディア会議の晩さん会で図らずも露呈した。

晩さん会の最後に、会議が開かれたポルトガルの協会代表者が締めの演説をしたのだが、大会スタッフの数人(全員が女性だった)を舞台に呼び、白いエプロンを付けるように指示。

その前に立った代表は女性たちは「天使(エンジェル)のようだ。となると自分はチャーリーだな」と述べた。

女性探偵が活躍する米国のテレビ番組「地上最強の美女たち!チャーリーズ・エンジェル」をもじった発言である。会場内から失笑が漏れた。

その後、スタッフの一人で妊娠していた女性を中央に引っ張り、横を向かせて腹部が突き出ていることを見せた。

「素晴らしい女性」として紹介したのだが、筆者自身、笑っていいものやら憤慨していいものやら、困った。この代表がスタッフの一人の女性の頬にキスする場面もあった。

晩さん会終了後、会議パネリストの一人だった男性が「失礼だ」と大会参加者専用のアプリ内で発言したことから、協会幹部が謝罪を発表。後に協会は晩さん会での代表の行為を「非難する」文書を出した。

職場を共にする女性を性の対象と見なして茶化す、一段と低い存在として扱う、昇進の対象としないなど、様々な差別の存在が会議で指摘される中、晩さん会の一コマは現実を変えるのはいかに大変かを如実にした。

 

日本はどうするか

職場環境でのセクハラの発生状況は、世界のほかの国でも日本でも非常によく似ていた。

解決策の1つとして出された「男女比率を50%ずつにする」という対処法は、雇用の流動性が低い市場(例えば日本の雇用市場)の場合、男性からの批判が出る可能性があるように筆者には思えた。

しかし、私たちは今、女性に対するセクハラや差別を解消するための解決策を講じる段階に来ているのではないか。

人に情報を伝えるという役目を持つメディア界は、働く人のみならず、扱うトピックや紹介する人物についても「女性はいないのか?」という視点を持って作業を進めてみるのは無駄ではないだろう。

何がセクハラになるのかついて、各組織でセミナー、ワークショップなどを開いて認識を改めるとともに、組織のトップ自らが今回の一連の運動をきっかけに「性の多様性を実行する」ことを明言して、具体的な対策の実行に向かって行動を起こすべき時が来た。