セクハラをなくすには?海外メディアの女性らが明かす「被害と本音」

対策もここまで進んでいる
小林 恭子 プロフィール

世界新聞・ニュース発行者協会の調査によると、世界の大手100社のメディア企業の中で、経営幹部の女性の比率は17%。ニュースの中で紹介された人物の中では25%だった。

米ブルームバーグの上級エグゼクティブ・エディター、ローラ・ゼレンコ氏は、自社の経営幹部や番組内で紹介される人物の女性の比率が「驚くほど少ない」ことに気づき、これを挽回するために2000人の女性のデータベースを作ったという。

米ニューヨーク・タイムズも「ジェンダー・イニシアティブ」というプログラムの下で、女性の比率を増やす試みを行っている。

米ガーネット社の元最高コンテンツ・オフィサーのジョアン・リップマン氏は、ハラスメントを「女性だけの問題とさせないこと。私たちすべてに関わる問題として捉えるべき」という。

リップマン氏(筆者撮影)

女性に対する偏見を解消するには?

リップマン氏はジェンダー問題について3年間調査を行い、『That’s What She Said(それが彼女が言ったこと)』という題名の本を出版している。男女が平等に働くためのガイド本だ。

この本を題材にした別のセッションで、リップマン氏は私たちの中に存在する「女性に対する無意識の偏見」を指摘した。

 

例えば、会話の途中で男性が女性の発言を遮る頻度は、逆の場合の3倍だったという。女性の発言は「軽視してよいもの、遮っていいもの」という考えが根底にある。

また、女性がトップの企業は経営の失敗があった時に「女性社長個人が責められる傾向がある」が、男性がトップの場合「経営陣全体が責められやすい」。さらに、女性が経営陣に参加するよう求められると、「最初は断る場合が多い」。

リップマン氏自身もかつてそうだったという。「自分にはできない、としり込みしてしまう。自分を低い存在として見る癖が抜けない」。

リップマン氏によると、男性を上と見なし、女性がその下に来る存在と考える無意識の差別は「家庭で始まる」。どのように育てられるかによって、子供は性に固定した考え方を持つようになるという。

世界新聞・ニュース発行者協会はメディア界でのセクハラを防ぐためのアドバイスをまとめた「メディア界のセクシャルハラスメント」というリポートを無料で配布している。

世界新聞・ニュース発行者協会による、メディア界のセクハラ防止のための手引書