セクハラをなくすには?海外メディアの女性らが明かす「被害と本音」

対策もここまで進んでいる
小林 恭子 プロフィール

エジプトでメディア会社ウィランド・エルバラド・メディアを創業したファテマン・ファラグ氏は、アラブ圏では「セクハラがあっても声に出しにくかった」。

MeToo運動によって、以前よりは表に出す機運ができたが、「弱みを見せたくないという気持ちが女性に強かった」という(リスボンの会議で)。

ファラグ氏(筆者撮影)

「男性陣と伍して仕事ができることを示す必要があった。だから、セクハラがあっても報告しないできた」

もし「弱み」を見せれば、「じゃあ、そんな危険な場所には出さないようにする」という方向になってしまう。「声を上げることで、職を失うリスクもあった」。

また、権力を批判する報道をすれば「あの記者は野党の一員だ」と一蹴されてしまうのだという。ファラグ氏が紹介した現状は、日本の状況をほうふつとさせる。

 

どの国でも共通していること

世界新聞・ニュース発行者協会が主催した「世界ニュースメディア大会」では本会議が始まる前の2時間半を「ニュース界の女性サミット」と題するセッション(6月6日)に充てた。

米国、ポルトガル、ポーランド、デンマーク、英国、ウガンダなどのメディアで働く12人が職場のセクハラについて現状と解決策を語った。

ウガンダのビジョン・グループの編集長バーバラ・カイヤさんは、「職場には性の多様性が必要。男性だけの職場はまるで片足だけで立っているようなものだ」という。

ウガンダでは大学でジャーナリズムを専攻する人は、女性の方が多い。しかし、メディア界で働き続けるのは男性たちだ。

「長時間労働がネックとなっている。それに出産・育児を担う必要があるため、女性は退職してしまう」

また、「政治、経済など硬いトピックは男性記者に、家庭生活に関わるトピックやファッションなどが女性記者に充てられることが多い」と指摘する。

メディア企業への採用過程に問題があると指摘した人も数人いた。選ぶ側が男性であることが多いが、男性は男性あるいは自分の似たようなタイプの人を選びがちだからだ。

ジャーナリズムを専攻する学生の中で女性の比率が高いこと、メディア界に就職する際には少なくなってしまうこと、数年後には離職する女性が多いため、メディア界は男性が中心となる職場となってしまうこと——。

いずれの点も、どこの国でも共通していた。