おカネの支払いを渋るだけでなく、ふとした日常の習慣にケチな感覚が露呈することもある。
大手生命保険の営業マンが明かす。
「大阪から出てきて、東京ではじめて担当したのが早川信夫さん(仮名)。広尾のメゾネットつき高級マンションに住む46歳の開業医でした。
話しぶりは豪胆で、大口の契約に結び付けられると確信していたのですが、フタを開けてみるととにかくケチでした。
早川さんのホームパーティーに招かれたときのことです。私が一品ふるまおうと冷蔵庫に向かうと、扉には水道工事の広告が描かれた、よくあるマグネットがぎっしり貼ってあるんです。
ざっと20枚はあって、扉に貼りきれないぶんは横の棚に重ねてありました。『こんなものも捨てられない人なんだな』と思ったんですが、びっくりしたのはこれだけじゃなかった。
早川さんに『キッチンペーパーありませんか』と聞くと、手渡されたのは厚紙でできた手製の小箱。開けると、スターバックスの紙ナプキンがギッチリ入っていました。
聞けば彼はスタバに行くたびに紙ナプキンをゴソッともらってきて、箱に詰めて使っているそうです。ほかにも、ガムシロップやおしぼりまで、飲食店に備え付けのものを袋に溜めている。節約のためでしょうが、すごい執着心を感じましたね」