もしも東京五輪の真っ最中に、M7巨大地震が起きたら…

考えたくないことだが、万一のために。
週刊現代 プロフィール

湾岸エリアには、およそ20もの五輪競技場が集まる予定だ。その全てが大きく横に揺れ、ガラスが弾け、天井が崩落する。あまりの恐怖に直面した外国人観光客たちは、錯乱状態に陥るだろう。

アメリカ人の男性は隣の日本人観光客を怒鳴り、イタリア人の女性は、ただ泣き叫び、跪いて神に祈るばかり……。数秒前まで歓喜に包まれていた会場が一瞬にして、阿鼻叫喚に包まれるのだ。

東日本大震災の被害を受け、千葉県が'16年に行った調査では、仮に千葉県東方沖を震源とする巨大な地震が発生した場合、県内だけで「最大5600人もの死者が出る」との想定がされている。

 

もし2020年、東京五輪の開催期間中に千葉県東方沖でM7級の巨大な地震が発生すれば、およそ1000万人もの動員が見込まれているという東京五輪が、数万人規模の人的被害を生むことは疑う余地もない。東京女子大学・広瀬弘忠名誉教授(災害リスク学)が警告する。

「仮にM7クラスの巨大な地震が千葉県沖で発生した場合、千葉県に限らず、首都圏の東部は大打撃を受けることになります。'11年3月11日に東日本大震災が発生した際も、東京では建物の天井が崩落することによって死傷者が出ました。

もし千葉県沖で大きな地震が起きれば、このような、いわゆる地震の一次被害が引き起こされることは間違いありません。特に東京湾の沿岸部には、水泳、テニス、バレーボールなどの人気の高い競技の会場や選手村など、五輪関連施設が集中している。

加えて、湾岸エリアには空港や主要な道路、石油コンビナートなどの重要な施設があるうえに、地域としては海抜が極めて低く、大きな防波堤が設置されているわけでもない。火災や津波などの二次被害で、多くの死傷者を出すでしょう」