中国語で「特金会」と呼ばれた米朝首脳会談が先週12日、行われた。
特金会とは「特朗普(トランプ)米大統領)と金正恩・朝鮮労働党委員長の会談」という意味だが、この歴史的な会談について、中国メディアも、ネットでも、微妙な反応が続いている。微妙な点を一言でいえば、「中国は勝ち組なのか? 負け組なのか?」である。
今回の会談を、各国メディアはトップニュースとして扱った。
日本の大手紙に至っては、奇しくも、「米朝、初の首脳会談」との見出しや、トランプと金正恩が握手する写真までも全く同じだった。
「まるで(習近平の動静を伝える)中国政府系メディアのようだ」と中国のSNSで皮肉交じりに紹介したが、さすがに普段は「いいね」をくれる友人も多くは沈黙したままだった。
だが、筆者の友人たちの反応と同様、普段ならば習近平と外国首脳との会談を大々的に取り上げる中国メディアも、控えめな報道が目立った。
中国共産党機関紙「人民日報」は会談翌日の13日、1面ではなく3面(国際面)で、会談の写真も載せず、わずかに「朝鮮(北朝鮮)、米国の指導者が共同声明 半島非核化と平和目標を確定」との見出しで次のように伝えただけだった。
「金正恩・朝鮮国務委員会委員長とトランプ・米国大統領は12日シンガポールで朝米現職指導者による歴史的な初の会合を行い、共同で声明に署名した。
朝米指導者は声明で、新たな朝米関係建設を約束、これは両国人民の平和と繁栄という願望に沿ったものと認識し、共同で朝鮮半島の持続的な平和システムを構築するとした。トランプはさらに朝鮮に安全保障を提供すると約束、金正恩は『朝鮮半島の完全な非核化』を改めて表明した。会議の成果を着実に実行するため、両国は高級レベルの政府交渉を行う方針。
金正恩は調印式で、今回の会談により、双方は『新たな起点』を迎えたと表明。トランプは、共同声明は内容が『非常に広範』で、米朝は従来とは全く違った局面に入ったと述べた。
国際社会は今回の会談が得た積極的な成果を歓迎、朝米指導者が引き続き半島非核化を推進、実現し、半島の平和的態勢づくりに実質的に着手することを希望している」
また、さらに同じ面で、
「我々は両国指導者が行なった政治的決断を高く評価し、会議の成果を歓迎、支持し、各方面が会談成功のために行なった努力を評価する」
「中国は朝鮮半島非核化実現、半島の平和と安定、話し合いによる問題解決を検事し、絶えざる努力を行ってきた」
「中国は半島近隣そして重要な国として、半島非核化と平和的態勢構築のために引き続き努力したい」
と、通り一遍とも言える外務省のコメントを掲載した。