ビールはかつて、ストローで飲まれていた!?

トリビアだらけ! 人類と麦酒の5000年史
渡 淳二 プロフィール

ノンアルビールがおいしくなったと感じませんか?

他方、いわゆるノンアルコールビールも存在感を増してきています。

じつは、海外では以前からあったジャンルなのですが、日本では「ビールを飲んでいる気がしない」「おいしくない」といった理由から長く敬遠されてきました。それが近年、日本ならではの技術開発によって「アルコール分0.00%未満」を達成しつつ「格段においしくなった」と好評で、飲酒できないときや、あまりアルコールの飲めない大人に向けた商品として広く支持を集めるようになっています。

どうして急に、おいしくなったのでしょうか?

清涼飲料水の開発で培ったフレーバリング技術を応用・発展させることで、ビールに引けをとらない味が実現できるようになったことが大きな理由の1つですが、その背景には、ビールに含まれる化学成分を精密に分析するなど、ビール独自の香味や苦味が科学的に解明されてきたことも貢献しています。

すなわち、「ビールの科学」が進化、そして深化してきているんですね。

古代バビロニア人は19種類のビールを造っていた!

ビールの歴史は古く、紀元前3000年以前の古代バビロニア発祥といわれています。

驚くべきことに、色の濃淡や風味のバリエーション、原料配分の違いによって、すでに19種類ものビールを醸造し分けていたそうです。そして意外にも、当時のビールは、“ストロー”を使って飲まれていたことが、壁画などに遺された史料によって確認されています。

何をストローに使っていたのかって? じつは、麦わらなどの植物を使用していたのです。

人類とビールの付き合いは、すでに5000年以上に及ぶわけですが、ビールに科学の目が向けられたのは、意外にもごく最近のことです。

醸造学が近代科学として誕生し、発酵を行うビール酵母が発見されて、その役割が理解されるようになったのはじつに19世紀も末のことで、まだ120年ほどしか経っていません。この間に、麦芽やホップといった主要原料がどのような役割を果たしているのか、ビール酵母が活躍する発酵のプロセスがどう進むのかといった原理やしくみが理解されてきました。

ビール造りの特質や「おいしさの本質」はどのように明らかにされてきたのか? その過程で蓄積された科学的知見や技術は、ビールをどう進化させてきたのか――?

「ビール大全」ともいえる本書『カラー版 ビールの科学』をひもといてみていただければ、「とりあえずビール」が至福の一杯になることうけあいです。

どうぞ今夜も、おいしいビールをご堪能ください。

【写真】夜のカウンターで、今夜もおいしいビールを
  今夜もおいしいビールをどうぞ photo by iStock

カラー版 ビールの科学

【書影】カラー版 ビールの科学

著 : 渡 淳二

  書籍の詳細はこちら  

『カラー版 ビールの科学』編著者・渡淳二さんトークイベント開催

2018年7月24日(火) 銀座・教文館にて

8種類のビールが飲み放題の懇親会とセットです。

 終了  おかげさまで大好評のうちに終了しました!

https://www.kyobunkwan.co.jp/blog/archives/9684