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ビールはかつて、ストローで飲まれていた!?

トリビアだらけ! 人類と麦酒の5000年史
「グレープフルーツとオレンジピールで苦みをつくったビール」「レモングラスを使ったプレミアムビール」 などなど、今春以降、従来にはなかった「新ビール」が続々と登場していることにお気づきだろうか?

実はいま、日本ビール界は1世紀以上ぶりの大変革期を迎えている。何がどう変わり、それは、私たちの日々の楽しみをどう変化させていくのか?

サッポロビール価値創造フロンティア研究所所長などを歴任し、このほどそのエッセンスをあますところなく開陳した「ビール学大全」として『カラー版 ビールの科学』を上梓した“ビール博士”、渡淳二さんに聞いてみた。

明治41年以来の大変更

「110年ぶりにビールの“定義”が変わった!」

今春、このようなニュースが新聞やテレビを賑わせたことをご記憶の方も多いと思います。4月1日に施行された改正酒税法によって、従来のビールの定義が変更されたことを報じたものです。

この改正を受けて、ビール各社は、冒頭で紹介したようなグレープフルーツやオレンジピール、レモングラスなどを使用した新商品を続々と投入しました。日本では従来、「ビール」と称することができなかったこれら新たなテイストを早速、楽しんでみたという方もいらっしゃると思います。

「110年ぶり」という表現には、補足が必要です。

日本ではかねて、「麦芽比率が67%以上で、麦芽とホップ、水の他に使用できるのは、麦、米、とうもろこし等の政令で定める副原料」に限ることをビールの要件としてきました。この2つの要件(麦芽比率と使える副原料)にそれぞれ変更を加えたことが、今回の酒税法改正における大きなポイントです。

第1に、麦芽の使用比率が「50%以上」へと緩和されました。

そして第2に、従来は「麦芽に代えて一部は麦、米、とうもろこし等の政令で定めた副原料を使ってもよい」とされていた副原料の種類が飛躍的に増え、先のグレープフルーツなどの果実に加えて、こしょうやシナモン、さんしょう、ハーブ、野菜、そば、ごま、蜂蜜、みそ、茶、コーヒー、ココア、牡蠣、こんぶやわかめ、かつお節が使用できることになったのです。

ビールの副原料に入れたら、いったいどんな味になるの⁉ と驚くようなものも含まれていますね。ビール造りに携わる人たちの、今後の知恵比べが楽しみです。

じつは、第2の変更点である副原料については、過去にいくどか変更が加えられてきています。一方、麦芽の使用比率が前回変更されたのはじつに明治41年(1908年)にまでさかのぼり、これを指して「110年ぶりの定義変更」と報じられたのです。

なにしろ1世紀以上ぶりの改革ですから、マスコミが大きく報じたのも無理はありません。

【写真】レモン、ハーブ、グレープフルーツ…
  レモン、ハーブ、グレープフルーツ……さまざまなテイストが楽しめるようになってっきた photo by iStock

『カラー版 ビールの科学』編著者・渡淳二さんトークイベント開催

2018年7月24日(火) 銀座・教文館にて

8種類のビールが飲み放題の懇親会とセットです。

 終了  おかげさまで大好評のうちに終了しました!

https://www.kyobunkwan.co.jp/blog/archives/9684