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人口はウソをつかない

今回は、一つお知らせがあります。本日(6月19日)、25冊目の拙著『未来の中国年表』が、講談社現代新書から発売されました。

いまからちょうど一年前に、同じく講談社現代新書から出た『未来の年表』、及び先月出た続編『未来の年表2』は、累計65万部を超えるベストセラーになっています。そのコンセプトは、「人口はウソをつかない」。アベノミクスが描く未来の青写真などではなく、日本の人口動態にスポットを当てて、少子高齢化でこの先、何が起こってくるかを予測したものです。

このヒット作を世に出した同僚の青木肇・現代新書編集長が、3月、私のところへやって来て、おもむろに肩を叩かれました。

「人口から見た中国の未来予測を書きません?」

「はっ?」

その頃、私は、毎日オフィスのパソコンを、中国中央テレビ(CCTV)のネット生放送に合わせ、北京の人民大会堂で繰り広げられている全国人民代表大会(国会)に見入っていたものです。

国家主席の任期を撤廃する憲法改正、15省庁も消滅・改編させた省庁再編、引退したはずの王岐山前常務委員を国家副主席に抜擢する大胆人事……。2期目5年の習近平「強権政権」は、いったいどこへ向かうのかと、そればかり考えていました。私の見解は、このコラムで再三、示してきた通りです。

そんな私を諭すように、ヒットメーカーの青木編集長はこう告げました。

 

「中国の政治なんて、共産党の一党独裁で、しょせんはブラックボックスでしょう。軍事なんて、予算から装備まで、もっとブラックボックス。経済は一応、GDPを始め、いろんな指標を公表しているけど、どこまで真実か信用できたものではない。

そんな中国にあって、人口だけはウソをつかない。そのことは、日本版の『未来の年表』で証明されています。だから、ウソをつかない中国の人口をもとに、『未来の中国年表』を書いてもらいたいんです」

「なるほど」と聞いていた私は、少しだけ反論したくなりました。日本の25倍もの面積を誇る中国にあっては、人口だってウソをつくのです。

一例を挙げれば、2010年秋の第6回全国人口調査の際、私は北京で駐在員をしていました。ほとんどの日本人駐在員は、市の北東部の日本大使館近く、いわゆる「日本村」と呼ばれるマンション群に住んでいたのですが、私は中国人しか住まない市の東部に住んでいました。

ある日、人口調査員のオバサンが訪ねてきました。紙束の袋から一枚を取り出して、生年月日、民族、学歴などを答えてくれというのです。

私は彼女を遮り、「日本から来ていて、中国人ではない」と答えました。すると彼女は、とたんに眉を吊り上げて、金切り声で言いました。

「そんなことは私と関係ないわ。私は一人数えるごとに2元(約35円)もらえるんだから、協力してちょうだい!」

こうして私は、中国人に数えられてしまったのです。

そんな話を青木編集長にしようかと思いましたが、口元まで出かかって止めました。もう一つ別のことが脳裏をよぎったからです。

それは、中国の人口調査の歴史でした。中国は、紀元前の春秋戦国時代から、人口調査に大変熱心な国でした。いまから2000年も前の漢代には、何と6000万人近い人口を数え上げています。

古代において、人口調査というのは、万里の長城建設に次ぐくらいの大事業でした。国民に名前をつけたり、全国津々浦々まで漢字を普及させたりしたのは、人口調査のためだったという説もあるほどです。

そこまでして人口調査を行ったのは、主に賦役のためと言われています。農民から年貢を取り、男子に徴兵を課すためには、正確な人口把握が必要だったのです。

ところが、もしかしたら、古代の王や皇帝たちも、青木編集長と同じことを考えていたのかもしれないと思ったのです。

「人口はウソをつかない」――人口を分析すると、国の未来が見えてくるということです。

「その企画、やらせてください!」

こうして一気呵成に書き上げたのが、本日発売の新著『未来の中国年表』です。

中国は14億近い人口を抱える、世界最大の人口大国です。そんな中国で、2018年から、建国100年を迎える2049年まで、一体何が起こってくるのか? それらを分析することは、日本の将来を考えることにもつながります。どうぞご高覧ください!

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