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中国が頭を痛める、日本の10倍スゴイ「モンスターペアレント問題」

怒り方のレベルが違う

チャット大国・中国

近年、スマホの普及やチャットソフトの発達によって、複数の人たちの間での情報共有が飛躍的にラクになった。これは仕事のチームや趣味のサークルなどに限らず、例えば保育園のママ友グループや小学校のPTAメンバーのグループなども同様だろう。

学校の宿題や配布物についての保護者同士での確認や、イベントごとの役割分担などは、LINEのグループを作ってその内部でやってしまうほうが手っ取り早い。

これは中国でも同様だ……というより、中国のほうがこの文化は盛んである。

中国の都市部のスマホ普及率は9割以上に達し、テンセント社が提供するユーザー数9億人のチャットアプリ『微信(ウィーチャット)』や、同じく『QQ』などは、生活上で欠かせないインフラと化している。日本では20〜40代でも、LINEを使っていない人が結構いるが、中国の就労年齢層の大人でこれらを使わない人はほぼいない。

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ゆえに、例えば子どもが小学校に通っている場合、「家長群」(保護者グループ)への参加はほぼ義務だ。両親のいずれかもしくは両方、さらに祖父母が加入しているケースもある。

しかも中国だと、教師もこのグループに入っている。中国では小学校から科目別に先生が違うケースもあるのだが、いずれの先生もこれに加入しているのが一般的だ。ゆえに、関係者が多いせいで1クラスあたりの「家長群」のメンバーが100人近くに及んでいるケースも決して珍しくない。

だが、保護者同士、もしくは保護者と教師という、ただでさえもお互いの人間関係が難しい人たちが、100人近くもスマホで24時間お互いに接触し合って大丈夫なのか――?当然ながら、いろんなトラブルが起きるわけである。

今回の記事では、そんな中国の「家長群」にまつわる騒動記の数々をご紹介しよう。

 

モンスターママ、返信が遅い女教師をシメる

今年6月11日午後のことである。安徽省五河県のある小学校に女が侵入し、国語担当の女性教師・張先生を罵倒したうえ、服を引っ張ってぶん殴る事件が起きた。女はこの学校に通う児童・王くんの母親(以下「王ママ」)であった。

事件の発端は同日午前11時前、張先生がグループ内にテスト用紙の返却についての情報を投稿したことである。これに王ママが質問を書き込んだのだが、張先生からはその後2時間半にわたって返事がなかった。すると王ママは瞬間湯沸器的にマジギレ。以下のような罵倒を投稿しはじめた。

「こんちくしょう、やってられないわ!」

「近いうちに目にもの見せてやる。ばかやろう!」

これに対して、グループに入っていた別の先生が「昼食時ですから」「教師も人間なので、いつも携帯を見ているわけではないんです」とフォローしたものの、王ママの怒りはおさまらない。彼女は午後2時頃に「いまから学校に行って問い詰めてやるんだから」と投稿。そのまま冒頭の暴力劇に至ったのであった。

現場での目撃者によると、王ママは「私は先生を殴る資格があるけど、先生が私を殴る資格はない」「私の人生は怖いものなしよ。殴りたいと思ったら誰でも殴るわ!」とジャイアンみたいなことを言いながら、勤務2年目のうら若き女性教師をしばき倒したという。