日本で爆増する梅毒患者と「出会い系アプリ」のヤバい関係

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山本 佳奈 プロフィール

ほかの性感染症も増えているかもしれない

注目すべきは、横山さんの行動が、普段は交わることのないコミュニティに「性的なつながり」をもたらし、性病を広めた可能性があることだ。

「クラミジアに感染したとわかるまで、クラブで知り合った女性、アプリで知り合った多種多様な女性を含め、普通なら交わることのない、コミュニティの異なるいろんな女性と関係を持っていました。だから、自分がクラミジアを媒介してしまっていたかもしれません」(横山さん)

 

性と心理学の研究者である米ボール州立大学のジャスティン氏も、デートまで漕ぎつけるアプリユーザーの性生活に関する調査が、アプリユーザーはそれ以外の人々よりも性的パートナーが多い傾向があることを示唆している事実を受け、これは、アプリに慣れ親しんだ人がそうでない人よりも性的に活発である可能性があることを意味すると指摘している。

もっともジャスティン氏は、問題なのはアプリの存在そのものというより、アプリを使用するユーザーの「行動」である可能性を指摘していることも付言しておきたい。

さて、こうして出会い系アプリの普及と軌を一にするように梅毒の患者が増えているということは、その背後でほかの性病の急増している可能性も高い。性病の病原体の種類は30種類を超え、梅毒はその一種にすぎないからだ。

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中でも、日本において最も感染者数の多い性感染症は、クラミジア感染症だ。厚生労働省の「定点報告」によると、2016年は約2万5000人。次いで、性器ヘルペスの約9300人、淋菌感染症の約8100人と続く。

だが、これは氷山の一角にすぎない。これら性感染症は、症状を自覚しにくく、病院を受診していないケースが多いと考えられるからだ。

特にクラミジア感染症は、男性の約50%、女性の約70%は初期症状が出にくい。感染していることにすら気づかず、無治療のまま普通に生活しているケースが多いことは、容易に想像できる。2017年の日本性感染症学会誌には、「クラミジア感染者は、届け出の約5倍以上あるとも言われている」という記載さえあるほどだ。