東大併願組、大ピンチ…!早大政経の「入試改革」で泣く人、笑う人

数学必須、独自論文まで…その狙いとは
マネー現代編集部 プロフィール

泣く「東大併願組」

実際、決められた定員を一定割合以上超えて入学させた大学には、私学助成金が全額不交付になるなど重いペナルティーが課せられる。

これまでのように他大学への流出を見越して多めに合格者を出していると、流出数を読み間違えて「数億円の交付金がパー」という大惨事になりかねないのだ。

私大幹部が続けて言う。

「たとえば定員より10人ほど多く入学させた場合、年間1000万円ほど授業料収入の増加が見込める一方、失われる助成額は数億円ということもある。つまり、まったく割に合わない。志願者数が10万人を超えるマンモス大の早大であればなおのこと、厳密な受験者数管理を徹底せざるを得なくなってきた」

 

早大政経はほかの私大文系と違って、受験者管理がより難しいという側面もある。

東大は落ちたけれど、早大政経には受かったという東大併願組のうち一定数が、早大入学後に「仮面浪人化」するという特殊事情を抱えているからだ。

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私立高校のベテラン教員も言う。

「これまではそんな仮面浪人組を見越して多めに合格者を出すことができたが、今後はそれが助成金カットのリスク要因になってしまう。それならばいっそのこと、その仮面浪人予備軍をはなから『排除』しようと早大は考えているのではないか。

じつは今回の入試改革で、早大政経は数学必須化と同時に、日英両言語の長文を読み解いたうえで解答するような『学部独自試験』を課すことも決めているんです。これは専門的な受験対策が必要な難問になる予定で、東大併願組には大きな受験障壁になる。数学を必須化して受験者数をしぼることで、膨大な時間がかかる学部独自試験の採点時間を確保する狙いもあるのだろう」

東大と二股をかける受験生ではなく、歩留まりの高い第1志望者を囲い込んだうえ、なおかつ助成金減額リスクを回避する――早大政経の入試改革はそんな「一石二鳥」を狙える高等戦術というわけだ。