間もなく、中国が3千万人の「余った男たち」で埋め尽くされる

「一人っ子政策」の恐ろしい副作用
近藤 大介 プロフィール

人目もはばからず大胆に……

2016年夏に北京へ行った時には、北京首都国際空港から市内へ出るモノレールの向かいの席に、中国人の若い「男性カップル」が座ってきた。

彼らは互いの手を絡ませたり、相手の耳を舐め合ったり……と、車内で人目もはばからず行動をエスカレートさせていった。

2018年正月に北京へ行った時は、「温泉」と呼ばれる大型入浴施設に行った。

そこのバイキング・レストランでも、恋人や家族連れなどに混じって、若い男性カップルがチラホラ目についた。

社会主義国の中国では、例えば人民解放軍などの組織では同性愛は禁止しているが、それでもいまどきの若者たちは、意外にあっけらかんとしている。

そもそも中国人は他人に無関心なこともあって、同性愛の青年たちは徐々に表に出始めてきているのである。

 

「空巣青年」の孤独

第三の現象は、「空巣青年」の増加である。

「空巣青年」とは、何やら物騒な名前だが、2017年頃から中国で流行語になっている。

日本語の「空き巣」とは無関係で、親元を離れて大都市で一人暮らしをしている若者のことだ。

一人っ子世代の彼らは、休日にも他人と交わらず、狭い自室に引きこもって、日がなスマホをいじっていることから、「空巣青年」と呼ばれているのだ。

自室に引きこもる青年(Photo by GettyImages)

2018年の春節の大型連休期間中(2月15日~21日)の中国国内の旅行者は、3億8600万人に達し、旅行関連収入は4750億元(約8兆円)に上ったと、中国文化観光部は発表した。

だが「4億人、5000億元」という当初の予測ラインには届かなかった。その最大の理由は、「空巣青年」たちが、自宅に引きこもっていたためと見られる。