間もなく、中国が3千万人の「余った男たち」で埋め尽くされる

「一人っ子政策」の恐ろしい副作用
近藤 大介 プロフィール

余った男

ところが、いまや北京や上海などの都心部では、マンションの一部屋を購入するのに、1平米あたり10万元(約170万円)以上という物件も出てきている。

中国のマンションの面積表示は、共有部分を含んでいるので、だいたい7掛けすると、日本のマンションの面積表示になる。

つまり1平米あたり10万元として、70平米のマンションを買えば、日本の50平米のマンションを買ったのと同様となる。

日本円に計算すると、約1億2000万円!

 

一方、北京や上海で大卒の初任給は6000元程度、すなわち約10万円にすぎない。つまり給料を100パーセント、マンションの購入にあてたと仮定しても、100年近くもかかるのである。

これではマンションなど買えるはずもない。

そのため結婚適齢期になっても、マンションが買えずに結婚できない男性が、続出しているのである。

そこに、女性に較べて3000万人超過というハンディキャップが加わる。まさに、泣きっ面に蜂だ。

そんな彼らは「剰男」(余った男)と呼ばれている。

がいっぱい余った中国人男性(Photo by iStock)

「超男性社会」の近未来

かくして2020年の中国には、結婚適齢期を迎えながらも結婚に苦労するであろう男性が3000万人に達するという、いわば人類未体験の「超男性社会」が到来する。

それはいったい、どんな社会になるのだろうか? 

あくまでも私見だが、近未来の中国では、3つの現象が起こっていく気がする。

第一に、同世代の中国人女性と結婚できない中国人男性たちが、中国よりもっと貧しい国々の女性を娶るケースが増えるということだ。

2018年正月に北京で、大学院生の青年たちから聞いた話では、すでに周囲には、ベトナム人やモンゴル人女性などと結婚する男性が出始めているという。

そもそも中国人とは、91.51%の漢族と、8.49%の55の少数民族との総和である(2010年の全国人口調査)。

多くの少数民族には「母国語」があり、習慣も食べ物も漢族とは異なる。朝鮮族、モンゴル族、カザフ族など、国境付近には周辺国の少数民族がいるのだ。

毎年3月に北京の人民大会堂で開かれる全国人民代表大会(国会)は、「ミニ国連」の異名を取るほどである。

そのため中国人には一般に、国際結婚に対する拒否感のようなものがない。

特に若い「一人っ子世代」は、他国の若者ともスマホという「共通言語」があるので、国境のカベを容易に飛び越えてしまう。今後、AIの通訳機能が発達していけば、言語のカベもなくなるだろう。