6月12日、シンガポール・セントーサ島の超高級ホテル「カペラ・シンガポール」で米朝首脳会談が行われた――。
全世界から報道陣約2500人を集めたドナルド・トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の”ガチンコ相撲”の勝者がどちらであったかの判定は留保するとして、テレビ視聴率的観点からすると、取り直し(引き分け)と判じていいだろう。
最大関心事であった朝鮮半島の非核化問題で「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」という文言を米朝首脳共同宣言に盛り込めなかったことから、国内外からトランプ大統領に対する批判が続出した。
金正恩委員長にしてやられたのではないか、というのである。他方、米上院軍事委員会のリンゼー・グラム上院議員(共和党)はCNNテレビのインタビューで「2人は(トランプ、金両氏)良くやった。これが(首脳会談)できなかったら、残る選択肢は戦争しかなかった」と述べている。こうした見方もあるのだ。