「事実を頑なに認めない」安倍総理を支える力の正体

モリカケ問題を再考する
山下 祐介 プロフィール

なぜ安倍総理は政権の継続に固執するのか

まずは前編の最後に示した一つ目の問い、なぜここまで安倍首相は自己の政権に固執するのかについて考えてみよう。もしかするとこれが最大の謎かもしれない。

安倍政権で成し遂げたこととは何か。

考えてみればどうにも見あたらない。何を目指しているのか、それもよくわからない。
だとすればこういうことなのかもしれない。

このままではアベノミクスは失敗でおわる。東日本大震災の復興も失敗した地方創生もおかしなことになっている

色んなことをやったが、結局長くやっただけでみなうまくはいっていない。総理はそれに対して未練があるのではないか。

だが私は思う。総理は十分すぎるとほどやった。小泉純一郎政権をこえ、歴代の名だたる首相よりもずっと長く政権を安定的に保ったではないか。

心残りの憲法改正もこのままでは形だけになる。本当にこの国のことを考えるのなら、後輩に任せて外から見守る、そういう立場になった方がよいはずだ。

そして別に総理さえ辞める覚悟を決めれば、今退いても、ちっとも恥にはならない条件は揃っているのである。

あとはまわりがしっかりと「もうやめた方がいい」と後押しすれば、その花道は用意されるはずだ。なぜそれを自民党はできないのか。

前編の最後に示した第二の問い、なぜまわりはこんな内閣をいつまでも担いでいるのかに入っていこう。

 

自民党はなぜ安倍政権を退陣に追い込まないのか

いま冷静に見て、日本の政治も行政もまともに回っていないのは明らかである。

いったんこの流れを止めて体制を整え、真っ当なものに変える必要がある。

そして現政権ではもはやそれはのぞめないのだから、現在の首相の任期が切れる際に潔く勇退してもらい、新しい体制で立て直すのが政府自民党の本来のつとめだろう。

総理をきちんとまわりが説得し、総理を辞めさせる責任がある。

だが、その本来のつとめを果たさずに、自民党の政治家たちが安倍内閣とつかず離れずにいる理由は何だろうか。

それはやはり選挙だろう。

選挙を戦うにあたって、安倍総理を立てるのがよいのか、下ろすのがよいのか、自民党の議員たちは、ただそれだけの計算をしてものごとを考えているように見える。

実際、安倍内閣の支持率が下がっているとはいえ、それでもなお30パーセントを超えているのだ。安倍内閣にはまだついていくだけの価値はある。

他方で安倍氏を下ろせば、ここまでかばってきた自民党全体にとばっちりが及ぶだろう。

もはや安倍政権という御輿を下ろすに下ろせなくなってもいる。

「もうやめたらよかろう」と、言いたくても言えなくしてしまったのは、自民党自身なのである。